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クイーンについての考察ライヴ・パフォーマンス編
日時: 2008/09/01 08:54
名前: じろー

初のライヴ盤として、ライブキラーズをリリースしたクイーンだけれど、そのライヴのあり方も常に変化してきている!!
今回は、ライヴをテーマに考察してみようと思います!!


初めて聴いたブートレグ…シートキッカーズでのクイーンのライヴは、かなり荒々しいハードロックでした!!
「セヴン・シーズ・オブ・ライ」でピアノが聴かれるけれど、基本的にはギター、ベース、ドラムの3ピースだ!!
「ファザー・トゥ・サン」「サン・アンド・ドーター」で聴かれるドラムの音色は僕の最も好きなドラムの音色のひとつだし、「ライアー」でのベースはメロディックと言うよりは、一発のパワーを感じる…
ブライアンのギターは、サスティン(音の伸び)がやや短い気がするが、フィードバック(オウガ・バトルの最初のところ)やディレイを使い、かなりスリリングなフレーズに溢れている!!
ギター、ベース、ドラムがバトルを繰り広げているようでもあり、このワイルドさは後期のライヴでは観られない!!

3rdが出た後は「イン・ザ・ラップ・オブ・ザ・ゴッド」をコンサートの最後に演奏することにより、ライヴのスタイルが明確になってきたような気がします!!

「サン・アンド・ドーター」「ブライトン・ロック」でギターソロをフューチャーしていますが、初期のライヴでは「ホワイト・クイーン」に注目したい!!
アルバムではアコースティックギターで始まり、終盤のギターソロのバックにはギターオーケストレイションがふんだんに使われている!!
このライヴには不向きであろう曲をクイーンはたった4人で見事に演奏しています!!

このあたりからライヴに於けるピアノがかなり重要な要素となり、ハードな3ピースバンドから徐々に変化していったように思います…

ピアノの曲が増えてくるオペラ座以後は、ピアノの存在が不可欠になってくる…「サムバディ・トゥ・ラヴ」「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」など…ピアノがなくては始まらない!!(笑)

初期に於いてno synthesizerを掲げていたクイーンは、ライヴでもno synthesizerでした…
その代わり、さまざまな方法で演奏にアクセントを加えています!!
そのひとつがオープニングのテープ!!
「プロセッション」「チャリラ〜チャリラ〜」「ロック・ユー」その後も「フラッシュ」「マシン・ワールド」「ワン・ヴィジョン」…
また、初期における「ナウ・アイム・ヒア」でも、テープを被せていたのではないかと思わせる…

そしてギターソロとして演奏もされる、ディレイを使った輪唱奏法だ!!
代表的なのは「ブライトン・ロック」だが、ギターソロとしてはそれ以前がら使われていました!!
ブライアンのディレイ奏法はマエストロ(メーカー)のエコー・プレックス使用し、ギターからの音を一台目のアンプで再生すると同時にエコー・プレックスに録音し、コンマ何秒後に再生した音を二台目のアンプで鳴らす…というやり方でした!!
このように、ディレイマシンを使うやり方はジミ・ヘンドリックスもしていましたが、ブライアンは複数のアンプを使用することでよりクリアな輪唱奏法を確立したのです…

初期の頃は一台だったディレイマシンが79年頃から二台になり、三音の輪唱になっています!!
おそらく82年頃にはエコー・プレックスではなく、デジタルディレイになっていたと思われますが、正確な移行時期は判りません!!(笑)

もう一つ、このディレイマシンを使って試みられたのが、「ドゥーイング・オールライト」でのプレイです!!
77年のアールズコートでの映像で観ることができますが、スローパートからハードパートになるところで…♪ダダダダッダッダッダッダ〜♪のフレーズを弾いたところでブライアンはギターを抱え込みます!!しかしディレイマシンが同じフレーズを繰り返すのです!!
ブライアンは今度は♪ダーンダーンダダダダーン♪と弾くディレイがそれを繰り返す…
(この部分を文字で紹介して解ってもらえるかどうか、はなはだ疑問だが…笑)
つまり、バッキングとソロを交互に弾くことで、一人でバッキングとソロを同時に鳴らすことをやってのけていたのです!!

このディレイマシンを使ったプレイは、98年のブライアン・バンドのライヴでニール・マーレイがベースソロとして輪唱奏法的なプレイを見せていたし、ジャズベーシストのジャコ・パストリアスもジョニ・ミッチェルのバックを務めたときに、ディレイマシンでベースパターンをループさせ、ソロを弾くプレイがありました!!
ブライアンのプレイと比較してみるとかなり興味深いと思います…

輪唱奏法はボーカルにも応用され、「プロフェッツ・ソング」や「ナウ・アイム・ヒア」で聴くことができます!!

また、多重録音の使えないライヴではピッチシフターという音程を変えるエフェクターでハーモニーをつくることもありました…
「ミリオネア・ワルツ」の♪ま〜いふぁ〜いんふれん♪の部分や「ボディ・ランゲージ」の♪るかっみ〜〜〜♪などがあります!!

後期に入ってからになりますが、ブライアンもピッチシフターを使いライヴでギターオーケストレイション風のサウンドを再現しています!!
「ミラクル」のエクストラ・トラックの「チャイニーズ・トーチャー」で聴けるサウンドなのですが…
現在でもギターソロで登場するし、98年のブライアン・バンドでの「チャイナ・ベル」では見事にアルバムでのサウンドを再現しています!!


クイーンのライヴはサポートキイボードが入るようになった82年頃で大きく分けることができると思います!!
見方によれば、シンセサイザーを導入した80年頃…という考え方もあるだろうけれど、肝心のそのツアーを僕は生では観ていない…
ただ、このときのシンセサイザーは、SE(サウンド・エフェクト)的な使い方が主流で、ライヴに対する影響力は少ないように思える…

それよりもカンボジア難民救済コンサートで見せた「セイヴ・ミー」でのブライアンとフレディのピアノ・リレーが、初期のクイーンライヴの象徴のような気がする…
クイーンのメンバーは4人ともがギター、キイボードを演奏でき、そのレベルがレコーディングにも耐えうる高いものである!!
ライヴでちょこっと演奏するくらいならともかく、レコーディングではきっちりと安定したテクニックが要求されるからだ…
そんな4人が3ピース+ピアノという最小限の楽器で演奏していたわけなのだから…

誰かがジャズ・ツアーの頃までのブライアンのギターを“やんちゃ”と表現したけれど、まったくその通りだと思います!!
簡単に言うと82年頃までのクイーンのライヴにはスリルがあったけれど、それ以降には無いということになります…
かつて…(今もあるのか!?)名古屋にシナモンというレッド・ツェッペリンのコピーバンドがありました!!
ブートを聴き込み、極限まで再現された演奏は「ZEP.以上にZEP.している…」とさえ言われました!!

現在ではたくさんのクイーンのトリビュートバンドがありますが、初期のライヴを再現するには並々ならぬ苦労があると思います!!
いや、今のブライアンでさえ、当時のサウンドは出せないのではないでしょうか…!?

栄光の軌跡のビデオの中で、ロジャーやジョンがブライアンのギターを「正確で時計のようだ…」と言うシーンがあります!!
ブライアンの技術を評価する…というよりは、スリルのなくなったギターに対する挑発だったのでしょうね!!

後期…というか、ワークス・ツアー以降のクイーンのライヴは、安定しているというか、どれを聴いても同じ…みたいな気にさせます!!
唯一、特別なものがあるとすれば、ライヴ・エイドにおけるパフォーマンスでしょう…

時間の関係も含めて、十分な調整がないままでの演奏…ライヴバンドの力量が問われる場面でもあったのですが、ソロの部分をエディットし、コンパクトに仕上げたアレンジは見事でした!!
「レディオ・ガガ」でシーケンサーは使ったものの、基本的に3ピースでの演奏は、ライヴバンドとして過去のものではないことを証明していたと言えるでしょう!!

圧巻は「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」でした!!
コンサートの一番最後に演奏されるこの曲…フレディの喉の調子にかかわらず、限界の状態で歌われてきた曲である!!
サビの部分をロジャーが、ブライアンがカバーしてきたが、このときのフレディはまだ20分しか歌っていない…
サビのメロディを下げることなく歌い上げるフレディは、まさしくチャンピオンだったと思います!!

ウエンブリーのステージのラストを飾ったのは、これ以上ないメンバーでのBAND AIDだったが、いわゆるトリはポール・マッカートニーでした!!
ここでもビートルズは美味しいところを持っていってしまうんだよね…(笑)
すでにジョン・レノンはこの世の人ではなかったのに、全世界の人々がビートルズの演奏を期待し、最後に何を歌うのかを想像したりしていた…
結局、ポール、ジョージ、リンゴの共演は実現しなかったが、ポールのピアノによる「レット・イット・ビー」が地球に響き渡った!!
この文句のつけようのないエンディング…そのお膳立てをしたのが、フレディとブライアンによる「イズ・ディス・ザ・ワールド・ウィ・クリエイティッド」だった…

あれだけ豪華なライヴイベントのラスト2曲が、ギター一本、ピアノ一台による演奏だったなんて…
このライブエイドに於いて、クイーンのライヴパフォーマンスが取り上げられることがあるが、「イズ・ディス・ザ・ワールド・ウィ・クリエイティッド」から「レット・イット・ビー」「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・ア・クリスマス」と続く3曲は、歴史に残るライヴパフォーマンスだと思う…

Q+PRの日本公演のアンコールで、「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」が演奏された!!
ブライアンのギターでロジャーが歌う…
クイーンのライヴパフォーマンスの真髄を見た気がする!!

このブライアンのギターがレスペになり…ジョンのベースが加わり、ロジャーのドラムとコーラス…その上にフレディのボーカルが加わる…

現在では、録音とビデオでしか体験することのできないクイーンのライヴ…
貴重であると同時に、そのクオリティの高さを十分に味わいたいものです!!

クイーンのライヴは演奏だけでなく、ライティングにも大きな魅力があるが、映像による再現力には限界があります!!
「ハンマー・トゥ・フォール」のP.V.を観て、そのセットとライティングを知っていても、生で観るライヴの迫力はケタ違いでした…

もう僕たちは、フレディのいるクイーンのライヴを生で体験することはできない…
しかし、「ボヘミアン・ラプソディ」のオペラパートの最後♪for me for me〜〜♪の後、マグネシウムの閃光とともにロックパートになだれ込むシーンの高揚感はファンにだけ与えられたものだと思っています!!
自らの想像力を駆使して、クイーンのライヴを楽しんでいきましょう…


ライヴについて考察してみましたが、自分の感じた感覚がどこまで伝わるのかは難しいところです…
まだまだ話したいこともたくさんあるんだけどね…!?(笑)
また機会があれば、僕の好きなクイーンライヴを紹介したいと思います!!
それでは今日はこのへんで…
メンテ

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ハエタタキとデジタル ( No.1 )
日時: 2008/09/01 08:55
名前: 喜楽院

>クイーンのライヴは演奏だけでなく、ライティングにも大きな魅力があるが、
>映像による再現力には限界があります!!

仰るとおりです。
DVD「モントリール」における、オープニング。
「ハエタタキ」の上昇シーン。
50インチの超高画質ディスプレイで再生したとて、
『生』のド迫力の100分の1にすら、遠く及びません。
大変、残念なことです。
世の中の技術がもっともっと進歩して、
今よりも遥かに進化した再生装置で
「ハエタタキのシーン」を観てみたいものです。


>デジタル・ディレイ。

1974年12月、「シアー・ハート・アタック」日本発売後、
1975年には、すでにクイーン・ファンには幅広く
認知されていた言葉だと思います。
もしかしたら、私が「デジタル」という単語を
初めて耳にしたのは「これ」かもしれません。
カシオが、電子計算機でデジタルのノウハウを培い、
セイコー、シチズンの寡占状態だった時計業界に
「格安なデジタル」で殴り込みを計り、
「デジタル」という単語が世の中で一般的になったのは
そのずっと後の時代だと思います。
山口百恵がCFで「♪デジタルウは、カ・シオ」なんて
歌ってた時代が懐かしいですね。
メンテ

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