SIDE 1 |
1. Keep Yourself Alive |
■Words and Music by Brian May |
邦題は「炎のロックン・ロール」。 出だしのギター音は何年経って聴いてもゾクゾクするしライヴでこのメロディが鳴り始めるとドキッ☆とします。 前回のコメントでも、この曲の聴きどころはリズムもメロディも全部まかしとけ!って感じのギター(レスペ)だと書きましたが、 それは今回もこれからも変わらないと思います。それだけ自分にはそれが染み付いているのですが、不思議な事に 何年経ってもこのギターのメロディは新鮮に響いてきます。 ちょっと曲の流れ(構成)がぎこちなく聴こえるのは若さのせいでしょうか。 今で言うQUEENらしさはまだまだちょっと希薄で、特にコーラスはいたってシンプルな作り。 ただブライアンのギターだけは、他のギタリストには無い、何か異質なものをこの時点で既に感じさせてくれます。 成熟前の演奏・録音という意味でも、まさにデビューしたての香り漂う曲ではないでしょうか。 ちなみに後にも先にもアルバムの第一音がギターで始まるのは、このデビュー・アルバムのみです。 【シングル履歴】 ◎U.K. Release Date : 6 July 1973 △Highest Position on U.K. Chart : - 「BBCラジオ・ワン」で少なくとも5回は放送を拒否された、記念すべきデビュー曲! '73年7月、BBC番組のプロデューサー、マイク・アップルトン氏が、ルーズベルト大統領が選挙用に使った珍しいフィルムを 紹介する挿入歌に、タイトルも分からないテスト盤(いわゆるホワイト・レーベル)のこの曲を使用している。 日本では1976年4月に「Now I'm Here」とのカップリングで再度シングル・カット。 また1991年10月には「The Show Must Go On」7インチ・シングルのB面に、 1995年には「Heaven For Everyone」のCDシングルPart2に収録された。 【ライヴ】 『LIVE KILLERS』 | 『LIVE AT THE BEEB』 【別テイク】 Long Lost Re-take |
2. Doing All Right |
■Words and Music by Brian May and Tim Sraffell |
元々この曲は前身バンドである『SMILE』の曲ですが、それとは少し歌詞を変えてあるにせよ、
フレディのヴォーカル&ピアノによるところは大きいと感じてます。それにレスペもベースもフレディのヴォイスとしっかり絡み合ってるし、
ロジャーはコーラスでも力入ってる!この曲はQueen確立への土台を生み出したのではないかと思えて仕方ありません・・・・とはいえ、
一般的にはあまり評価されない曲です、なので前回のコメント同様に今回もまた個人的な思い入れが強い為の偏見である事は
重々承知しておりますです、ハイ。 この曲でもブライアンが光っています。特に、第一音目のような優しい音色に惹かれます。 |
3. Great King Rat |
■Words and Music by Freddie Mercury |
先ず、なんと言っても曲がスタートする前の、ゥィィイイイーンという音や、カラ〜ンって言う何かしらの音が堪りません。
その時の雰囲気やその場の空気が直接伝わってきて、デジタル音も良いですけど、こういうのは消して欲しくないです。
で、この曲は山あり谷あり、そして広大な草原もあり!というような曲構成が魅力的です。特にギター・ソロの盛り上がり部分から面白く、
ラット王のことを益々知りたくなります!(ホンマかい?) 初めてこのアルバムを聴いた時、まず最初に好きになった曲です。 特にドラムは今聴いても笑え、失礼、最高で、“ドンドコ・ボコボコ・コンココ・シャンシャン”、 ブライアンのギターに負けず劣らず異彩を放っています。さらにロジャーはコーラス面でも輝いています。 ハードロック・ファンには堪らない曲展開ではないでしょうか。 |
4. My Fairy King |
■Words and Music by Freddie Mercury |
出だしのギターの音色はまるでクラリネットのよう、歌い始めのフレディのヴォーカルはポーカー・フェイスの占星術師のよう。
そしてタイトル同様、まるで童話の世界に飛び込んだようなサウンドと多重ヴォーカルの展開が素晴らしく、
この曲はメンバーのアイディアの宝庫といった感じです。でもここではそれらをチラッと見せておいて、
“後はこの次にネ”と言われてるような気がします。 フレディのピアノをはじめ、複雑に重なり合うヴォーカル、最初の部分のメロディーには二度と戻って来ない曲展開など、 いろいろな可能性をこの曲では試しており、この後の「Black Queen」「Rhapsody」といった、 いわゆる“華麗なるQUEENワールド”の走りみたいな曲です。 当時の他のグループには真似の出来ない(というか思いもつかない)、美しさを追求したロックだと思います。 私のお気に入りの一曲です。 【シングル履歴】1995年には「Heaven For Everyone」のCDシングルPart2に収録される。 |
SIDE 2 |
1. Liar |
■Words and Music by Freddie Mercury |
前回のコメントではフレディのオカマ声を賞賛しておりましたが、何度聴いてもやはりこの曲はフレディのヴォイスが最高です。
展開も素晴らしく、中間でのギター・ソロは「Keep Yourself Alive」同様に強く印象に残るメロディです。
ちなみに、この曲でもデジタルリマスターでは消してほしくないレスペの不協和音がたくさんあります・・・私はそれが大好きだぁ! このアルバムの中では最も完成度の高い曲だと思いますし、最初に聴いた時一番印象に残る(目立つ)曲ではないでしょうか。 かなり長いイントロですが、それがまた素晴らしく、特にロジャーのハイハットが最高です。 その後一瞬、波が引くかのように静かになりますが、ロジャーの強烈な“ライアー!”の叫びで、曲は押せ押せになっていきます。 そんな激しく進む曲の中にあって、美しく輝くのがフレディの歌う“Father please...”のフレーズです。 お色気いっぱいのフレディ、ドタバタ・ドラム、後半の複雑な曲展開・・・長い曲ではありますが全く飽きさせません。 間違いなく初期の代表曲でしょう。 【リミックス】 1991 Remix by John Luongo and Gary Hellman |
2. The Night Comes Down |
■Words and Music by Brian May |
録音時期としては最も古い曲の一つで、1972年ドゥ・レーン・リー・スタジオでLouie Austinによってレコーディングされたテイクが
そのままここでも収録されるている。 子供の頃、夜が来るのがとても怖くて、夜なんかなくなればいいのにと毎日願ってた事を思い出してしまいました、 人間誰しも自信がなければない程に先行きの不安は高まるもの。それをこの曲構成から感じます。 最初はあまり好きではなかったのですが、時が経過するに連れ、少しづつ好きになってきた曲です。 穏やかなコーラスはタイトルにピッタリで、曲全体を覆うレトロな雰囲気もたまりません。 |
3. Modern Times Rock'n'Roll |
■Words and Music by Roger Taylor |
いつでも前向きに突っ走るロジャー全開!といった感じです。
しかしロジャーのこのスパイスの効いたヴォーカルは現在もほとんど変化していない様に感じます。まぁ、
若干の若さはあって当たり前ですが、高音でありながらハスキーなロジャーの声は堪りません。 まず最初に感じたのは、とにかく“いい声してるなぁ”ということです。 分かりやすいタイトルは、そのままロジャー自身のイメージに直結しますし、実際この曲も分かりやすいです。 |
4. Son And Daughter |
■Words and Music by Brian May |
スタートから重たいですなぁ・・まるで“あ、どっこいしょ!”って感じ。
体育会系の自分にはちょっとこの重たさは苦手ですが、救いはフレディのヴォーカルです。 このヘヴィネスがたまらなく好きです。そして色気のあるフレディのヴォーカルにも惹かれます。 ねばっこいギター、ねばっこいヴォーカル・・・全てがねっとりしてて、聴き初めた頃は“早く終われ!”なんて思ったことも多々ありましたが、 今ではかなりのお気に入りです。 【シングル履歴】A1のシングルB面 |
5. Jesus |
■Words and Music by Freddie Mercury |
この曲も前回のコメントで苦手だと書きましたけど、今回ちょっとロックに飢えてた直後にこれを聴きましたら、
最高とまではいかないまでも結構気分良かったです(そりゃ空腹時には何食ってもウマイのと一緒だろ!って言われたらそれまでですけどネ)
前回、ここでのギターは感電しそうな音色だとも書きましたが今回はそのギターが途中オーケストラ風に感じました。
それとやっぱりこの曲でもフレディのヴォーカルは魅力的です。 単純な作りの中で、フレディが語るかのように歌いながら呼びかける(なんだそれ?)ヴォーカルが、曲に大きな魅力を与えております。 “神/キリスト”という言葉は、QUEENというかフレディの生涯の中では重要なキーワードかと思えます。 単純なのに難解・・・後にも先にも、かなり異色の作品です。気に入ってます。 |
6. Seven Seas Of Rhye... |
■Music by Freddie Mercury |
邦題は「輝ける7つの海」。初めてのインストゥルメンタル曲。 |
まるで光が水面にキラキラ反射しているようなピアノのメロディは“七つの海を制するもの世界を制す!・・であろう”
とでも言ってるような気も・・しないでもない。 初めてアルバムを作るなら誰もが考えるでしょう、“ラストにはどういう曲を持ってこようか”ということを。 で、QUEENも同様考え抜いたあげく、有りがちな結果に終わっています。 そういうわけで、曲自体には特に面白みがありませんので、語ることは何もありません。 |