ROGER TAYLOR DISCOGRAPHY
BLUE ROCK
1. Bad Attitude
■Words and Music by Peter Noone, Clayton Moss, Spike Edney, Josh Macrae and Roger Taylor
まずアルバム・タイトルがジャケットと共に素敵!そういう意味では「THE CROSS」のアルバムの中では これが一番ベストだけどアルバム1発目のこの曲に関しては個人的にはあまりパッとしないと言うか惰性的。 でもそれが「THE CROSS」というバンドの持ち味なのかな・・
ロジャーのアルバムって本当に「始まります」っていう曲で始まりますねぇ。 前作の1曲目同様ギターを効かしたハードなロックで、いよいよバンドとしての音が確立して来たかな、と期待させられる曲ではあります。
2. New Dark Ages
■Words and Music by Roger Taylor
ロジャーのヴォーカルは、1曲目よりこっちのヴォイスの方が好きだし曲自体もスタートから良い感じ。
New Dark Ages ドイツ盤7 これはロジャー作ながらTHE CROSSとしてのまとまりも欠けていない、なかなかいい曲であります。 どこか希望を持てる流れるようメロディーが印象的です。

【シングル履歴】ドイツでシングル・カットされる。ガイドブック等ではCDのみの発売となっているものがあるが、 実際には7インチや12インチも存在する。
【別ヴァージョン】Single Version
3. Dirty Mind
■Words and Music by Spike Edney
この曲を聴いていて思ったんだけど、スパイクって人は、ゼロから新しいものを作り上げるより、 既に形あるものを変化させる力、またはそれに何かを付け加える方が得意なんじゃないかなって・・ つまり彼はカヴァー曲や編曲向きのタイプだと思う。
うん、1曲目に似てないかい?いや、前作に収録されていたんじゃない? そんな声が聞こえてきそうな曲調。ロジャーがワンパターンなら、THE CROSSも3枚目にして早くもワンパターン傾向? 熱さは買い!
4. Baby It's Alright
■Words and Music by Spike Edney
歌詞がすごく良いしロジャーのソフトなヴォイスがそれをまた上手く感情表現されてる感じ。 でも間奏にもう少し何か欲しかったな。ちょっとセリフを入れるとか・・
THE CROSSの中では好きな一曲です。ロジャーに歌われると、本当に“大丈夫だ”って気になれます。
5. Ain't Put Nothin' Down
■Words and Music by Clayton Moss
メロディは聴きやすいけど、全体的に印象は薄く感じました。 それとフッと感じたんだけど、「THE CROSS」はアルバムよりシングル向きなんじゃないかな・・と。
New Dark Ages ドイツ盤7裏 今作でギターを手放したロジャー。 その全てをモスに託したわけですが、そのモス作のこの曲はなかなかの佳曲です。 ポップで聴きやすいながらも、そこはギタリスト、随所に散りばめられたギターの音色がロックとしてのカッコ良さを十二分に保たせています。 もちろんヴォーカルに専念したロジャーも素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。

【シングル履歴】A-2のシングルB面。
6. The Also Rans
■Words and Music by Roger Taylor
このアルバムの中で一番好きな曲です。ロジャーの低音ヴォイスも良いけどメロディと歌詞が一致した部分が 一番魅力的に感じます。でも途中に入る女性コーラスは余計だと思う。
こういう曲がTHE CROSSで演奏されても違和感が無くなったという点において、 このアルバムでさらにバンドは前進したと言えるのではないでしょうか。 そういう意味ではこのアルバムが最後の作品になってしまったのはちょっと残念かな。 かと言って、これ以上前に進みそうにも無いしなぁ・・・。
7. Millionaire
■Words and Music by Clayton Moss, Spike Edney, Peter Noone and Josh Macrae
何これ?・・こういうのって心底楽しめないな。考え過ぎかもしれないけど、思わず、 「ロック・エイド・アルメニア」でのロジャーに対するイアン・ギランの嫌味を思い出してしまいました。
ロジャー抜きの四人で作られた曲ですが、こういう時のロジャーってどういう気持ちなんでしょう。 “QUEENで忙しいから”っていう理由だけでもないだろうし・・・。 最後の曲同様、このバンドの力を見るにはいい曲かもしれません。 で、その判定は?それは、良いに決まってるじゃないですか!だってロジャーが歌ってるんだもん。
8. Put It All Down To Love
■Words and Music by Spike Edney
聴き易いのは作りがチープだから?覚えやすいのはメロディの繰り返しだから?・・ どこかで聞いたフレーズを思い出すのはもうたくさん。そしてこれが私が「THE CROS」というバンドに魅力を感じないポイントです。
これが“THE CROSS流ハードロックだー!”っていうイントロです(と言うかスパイクなんだよね)。 『HAPPINESS?』以降ギターを効かしたハード・ロックが減少傾向にあるので、 たまにこういうロジャーも聴きたくなりますけど、ちょっと似たタイプの曲が増えてきたかなぁと・・・。 スパイクに限らず、作曲能力って、パッと開花するもんでも無さそうだし。 解散の理由には、セールス以外にもこういう点にあったのではないかなぁ、と思ってしまいます。
9. Hand Of Fools
■Words and Music by Peter Noone and Spike Edney
退屈してしまいました。次の曲に期待します!
間違いなくTHE CROSSにおける、ロジャー最高のヴォーカルが聴けるのはこの曲です! メロディーも泣けます。
10. Life Changes
■Words and Music by Clayton Moss, Peter Noone, Spike Edney and Josh Macrae
とても素晴らしいでもなく、全然つまんないでもなく、その中間って感じ。実を言うと私は 「THE CROSS」のアルバムは一枚も購入してません、今回全部のアルバムをFairyに貸してもらって聴いたわけですが、 それでも自分も購入しようとは全然思いませんでした。ロジャーがクイーンで演れなかった事を自由に演れたら それで良いと思ってるだけで、純粋に「THE CROSS」の音楽を楽しみたいという欲求が自分の中にないからです。 それはロジャーのファンである前に、クイーンのファンだから・・。これは結果論になってしまいますが、 「THE CROSS」の知名度は上がっても、アルバムがそんなに売れなかったのは、私の様なファンが少なくはなかった という事なのかもしれない・・と思います。
アルバム最後に相応しい展開で、またメロディーもいいものを持っています。 バンドとしての技量も上がり、まとまりも出て来た、そんな印象を受けます。 さて結果的に売れなかったTHE CROSSではありますが、いくつかの曲で聴かれるロックの持つシンプルなカッコ良さを私は支持します。 特にバンドが活動していた80年代半ばから90年代頭の時期は、マイケル・ジャクソンやマドンナ等の大企業スポンサー付スーパースター台頭の時期で、 またヒップホップやレイヴシーンが頭角を現してきた時期でもあります。 ロジャーがQUEENというとてつもなく大きな存在では逆らえない時代の流れを、 別のバンドを作る形で時代と立ち向かったのは分かるような気がします。
MAD:BAD:AND DANGEROUS TO KNOW ALBUM LIST HAPPINESS?