北海道旅行記

「思い立ったが吉日」という諺は「何かを実行しようと思った時、すぐ実行に移すのが良い」という意味ですが、 自分はよく、何かを実行しようと思った時、よく考えずにすぐ実行に移す事が多く、それで失敗する事は多々あるけれど(苦笑) ほとんど自分の直感を信じて疑わないところが、そうさせている気がする。・・・って事で、私が突然、思い立ったのは6月の事、 ソファに寝転んで、ipadでいろんなサイトを見ていた時でした。

「なにこれ?変ってるぅ!!」、一枚の写真のオブジェが私の目を捉えた。
「タイトルは月の光?なんで?」 という疑問と同時に強い好奇心を持ち、既に私を虜にしていた。

・・・元々、旦那の夏休みに「どこか温泉でも行こう」と話していたが、旦那は「どこでもいいよ」と言うタイプで完全に人任せ。 逆に私は目的を持って出かけたいし、綿密にスケジュールを立てるタイプだ。
閑話休題・・・
ネットで見つけたそのオブジェは、北海道の洞爺湖温泉にある事が分かった。
「よし! 北海道に行こう!!」 突然そう言った私に驚きつつも、旦那は二つ返事で乗ってきた。

早速、翌日からパソコンに向かい、出発日を8月15日と決めて3泊4日の旅行スケジュールを立てた。
宿泊先も入念に調べてから予約を取り、飛行機もなるべく安いチケットを取った。
今回の観光と宿泊地は「札幌」と「登別温泉」と「洞爺湖温泉」に決めた。
移動手段は旦那が運転は疲れるというので列車にしたが、最後の洞爺湖温泉だけは洞爺駅から宿泊ホテルまで遠かったのと、観光に車が外せなかったので、1日だけ駅レンタカーを借りることにした。

8月15日、羽田空港は晴天。相変わらずの猛暑。気温36度。
空港カウンターに手荷物を預けようとした時、 旦那が突然、「ちょっと待って・・・なんかスーツケースがおかしい」と言い出した。 よくよく見たら、スーツケースの車輪の一部が破損していて、上手く転がせなくなっていた。
どうやら、空港に向かうモノレールで、ぶつけられたか、ぶつけたらしい。 旦那は「どうしようか?」と迷っていたが、私は迷わず「これじゃ使えないよ!」と判断して、空港内のお店で新しいスーツケースを購入した。しかし空港内のお店って値引きがなくて(当然なんだろうけど)、ちょっと痛い出費となった。

新千歳空港に降り立つと羽田とは一転して雨。気温17度。(さむっ!)
新千歳空港からは快速エアポートに乗り、JR札幌駅へ移動。
着いたのは夕方6時頃だったけど、既に外は薄暗くて、冷たい雨が降りしきっていた。
私はこれまで、4回札幌を訪れているが、4回とも晴れていた。だから、出発前のスーツケースといい、今回初めて札幌を訪れる旦那は余程ツイてないんじゃないか?と思えた。
それを確信したのは、駅前のタクシー乗り場の長蛇の列を見た時だった。こりゃ〜軽く30分は待たされるなと思った。(ビンゴだった)
予定よりかなり遅れて、すすきのにあるホテルに到着した。

8月16日、日課のウォーキングも兼ねて早朝から札幌観光に出かけた。
この日は小雨だったので、念のため用意してきた雨合羽を着て、いざ、大通り公園へ!
予定ルートは、ホテルがある「すすきの」から「テレビ塔」→「白い時計台」→「赤れんが庁舎」の徒歩30分コース。
途中からは地下道があり、そこを通れば雨に濡れないのは分かっていたけど、朝早い地下道なんて面白くともなんともないので、敢えて地上を歩いた。
テレビ塔に到着。
意外と雨のテレビ塔もいいな♪と思った。
続いて、白い時計台に向かったら・・なんと補修工事中だった(笑) 見えるのは「建物を覆っている"白い時計台が描かれた"シート」で、私は訪れた事があるから良いとしても、 初めて訪れた旦那はツイてないというか・・・残念。

さて、そこから少し道に迷いながらも、最後の赤れんが庁舎に到着。
白い時計台が見られなかった悔しさからか、雨の中、旦那は熱心にカメラ撮影していた。
私はどちらかというと、庁舎の前に敷かれたレンガ道をじっくり見て楽しんでいた。 そのレンガには北海道の地名・市町村名が彫られていたからだ。
ちなみに北海道の地名は難しくて読めないのが多い。
例えば、「占冠」は「しむかっぷ」、「倶知安町」は「くっちゃんちょう」、「音威子府」は「おといねっぷ」と読むそうです。 アイヌ語の由来からきてるらしい。おもしろい♪
ホテルに引き返す途中、オシャレなカフェで朝食をとった。

AM11:00、ホテルをチェックアウトしてタクシーでJR札幌駅に向かい、駅のコインロッカーにスーツケースを預けてから、 バスで「さっぽろビール園」へ移動した。
この時、雨が一層ひどくなった。バスの中も観光客で混んでいて、濡れた傘が、一層邪魔だった。

バスを降りて、「さっぽろビール博物館」に向かった。
館内をじっくり見て回ったあと、北海道限定クラシックビールの(有料)試飲をオーダーした旦那は、1口飲むと、 「うーん、それほど美味しくはないな〜」と思いっきりケチをつけていた。
(私は自分でお金を支払ったものに対してケチをつけるのが好きじゃない。)

その後、ミュージアムショップでお土産を買って、園内にある「ガーデングリル」でランチをとることにした。 ここでの飲み物に旦那は北海道限定クラシックビールではなく、ワインを頼んでいた。 私はアルコールが飲めないけどせっかくなので、北海道限定のリボンナポリンを頼んだ。
ちなみに、ここでも旦那が自分で頼んだ料理と飲み物にケチをつけていた。・・・一緒に食べてる私まで美味しくなくなる。 だからこの後しばらく旦那とは口をきかなかった。(ふ〜んだ!)

帰りもバスに乗って、JR札幌駅に戻った。
荷物をコインロッカーから取り出し、次の宿泊先「登別」へ。登別駅までは「スーパー北斗」で向かう。この特急列車は青いマスクでとてもカッコイイ♪乗り心地も良かった。 でも私達が乗った車両には、韓国人と中国人観光客がほとんどだった。

約1時間15分で、登別駅に到着。 想像とは違って、意外と小さな駅だった。
でもここで降りた乗客はかなり多かったし、相変わらず雨は強く降っていたし、改札口が1つしかない小さな構内は、 すぐに混み合った。 待合室の出入り口のところには、大きなクマの剥製?が二つもあって、ちょっと邪魔っぽく感じたりした。

登別駅からホテルまではタクシーを使う予定で、タクシー乗り場には既に数人が並んでいた。
でもタクシーは1台も待機していなかった。
乗り場の列に並んだものの、「タクシー本当に来るのかな?」と不安になった。
それで何気にもう一度、"タクシー乗り場"と書いてある看板をよ〜く見たら、その不安が的中した事を悟った。 なんとここのタクシーは電話して呼ばないと来ない!!
隣にいる旦那に、わざと大きな声でその事を話してから、電話した。
そしたら、私の前後に並んでいた人たちも皆、電話を取り出して、掛け始めた。
老婆心ながら、あれはもっと分かるようにした方がいいと思うし、外人の旅行客も結構いたから英語でも書いておいた方がいいんじゃないかと思った。

タクシーで15分くらいで登別グランドホテルに到着。
山の中というか山の上の方に来た感じだった。
だからかタクシー降りたら、超〜寒かった!
訊くと、13度だって! 8月なのに寒すぎる〜
あまりの寒さと冷たい雨に、予定していた観光ルート「温泉街〜登別地獄谷」への散策は中止にして、 ホテルの温泉三昧に変更した。なので、登別での写真はこの1枚だけ。→
(ホテル前にあった「鬼」)
さて、ここでの夕食は和・洋・中のバイキング料理。それぞれ種類が豊富でデザートも選ぶのが大変なくらい色々あって、 どれもすごく美味しかった。さすがに旦那も満足そうに十勝ワインを飲んでいた。

8月17日、AM9:00、天気は回復して晴れ間が見えていた。しかし外は相変わらず超〜寒い!
ホテルからタクシーに乗り込み「登別駅まで」と言うと、運転手さんから意外な返事が返ってきた。
「お客さん、登別駅からどちらに行く予定ですか?」
「洞爺湖温泉ですけど」
「あ〜そしたらダメだわ。昨日の大雨で列車が止ってるから」
「え〜?!」
「復旧は午後になるみたいですよ」
「そんなに降ったんですかぁ〜、そんなニュース見てないしなぁ」という旦那のトンチンカンな発言はスルーして(笑)、 この運転手さんは機転が利く人で、「洞爺までタクシーで行くとしたら高速を使わなくても1時間ちょっとで行けます。 1万2〜3000円くらいかな」と言ってくれた事で私は決断できた。
「登別駅じゃなくて、洞爺駅までお願いします!」と。

午後から復旧予定とは言え、列車がいつ動き出すか分からないまま駅で待つのも勿体無いし、しかもその日、洞爺駅のレンタカーを11時から予約していたから、 そのキャンセル代まで入れたら、1万ちょっとのタクシー料金は安いと判断した。 結果、大正解だった。
登別から洞爺に向かうドライブはとても楽しかった。
タクシーの運転手さんがずっと観光案内してくれたからだ。 後で調べて分かったことだけど、この時に通った道は登別から洞爺湖に行く最短コースで、山の自然を楽しめるドライブコースとの事で、 オロフレ峠の展望台で止まってくれて撮影スポットを教えてくれたり、記念写真撮ってくれたり、最後までずっと観光案内してくれたお陰で、 あっという間に洞爺駅に到着した。
機転が利く素敵な運転手さんに巡り合えた事は"不運中"のラッキーだった♪運転手さんに感謝。

洞爺駅に着いてから、予定時間より少し早かったけど駅レンタカーの窓口に向かった。
すると、「予約されてた車種が全部出てしまっているので料金そのままで、ランクが1つ上の車種をご用意しました」って。ヤッター!!またまた"不運中"のラッキー♪♪
それに、駅レンタカーだけに、今日の列車運休の影響が明日の予約にまで既に出始めているらしく、受付の人が 「明日、千歳空港まで特急の指定席を予定しているなら、今のうちに購入しておいた方が無難ですよ」と教えてくれた。 すぐに私は駅窓口に向かい、旦那はそのままレンタカー手続きをした。 そしたら特急列車の指定席は本当にギリキリで取れた。"不運中"のラッキー、パート3♪♪♪

さて、レンタカーで最初に向かったのは、洞爺湖で1番人気のスイーツといわれている「レイクヒルファーム」。 羊蹄山を望む高台にあり、お花畑も綺麗だった。ここで食べたソフトクリームは味が濃くて美味しかった。 続いて、洞爺湖だけでなく、中島、有珠山、昭和新山等を一望できる「サイロ展望台」へ。 ここのお土産屋さんで絵ハガキ購入した。親しい友人に北海道の消印で残暑お見舞いを送ろうと思っていたからだ。 絵はがきを購入してから、いよいよ観光のハイライトへ!

このために遥々来た!といっても過言ではない!
これが私の心を惹きつけて離さなかった「月の光」というオブジェです。洞爺湖畔に沿った有珠山噴火記念公園にあって、 他にもいろんな彫刻品があるんだけど、私はこの「月の光」に首ったけ!
なんて素晴らしいっ!!
やっと実物が見れた!!
インパクト強すぎ!!
もぅ、一目惚れ!!
これでもかってくらい写真撮りまくり。
旦那にも何枚も撮影してもらって、「いい加減、行くよ!」と言われるまで、しがみ付いていた。

洞爺湖の「遊覧船」に乗船。
乗船したお客さんは、私達以外はほとんどが韓国人と中国人の団体さんだったんじゃないかと思う。 ちなみに、旅行前にネットで調べていた時、口コミに韓国人と中国人の団体さんのマナーの悪さが 色々書かれていて少し心配してたけど、実際は全然そんな事なかったし、逆に、凄いシーンを見ることができて楽しかった。それは・・・
遊覧船の甲板にいるとき、たくさんのカモメが船のスピードに合わせて飛んでいて、まるで空中で止まってるみたい・・と思ってたら、 そんなカモメに韓国人の人たちが手を伸ばして、なんと「かっぱえびせん」をあげていた!!! それがとても上手にカモメがパクって食べるし、韓国人の人も慣れた手つきで次々にあげてたから、まるでショーを見てるみたいで、かっぱえびせんの袋が空っぽになるまで見て楽しんだ。(笑)

旅行最後の宿泊地、洞爺サンパレスに到着。
このホテルはフロント横のロビーの眺めが素晴らしい!!
しかもホテル1階から湖畔に降りることが出来て、湖が綺麗で澄んでいる事が分かった。 それに温泉は浸かりながら洞爺湖を一望できるようになっていて本当に素晴らしかった!
夕食の料理も大満足だったし、おまけに夜はホテルにいながら洞爺湖の花火大会まで満喫できた。こういうのをコスパ最高というのかな。 お得感満載でサービスも満点でした。
翌朝、旦那も私もここの温泉を名残惜しむように満喫してから、ホテルをチェックアウトした。

洞爺駅まで戻り、そこでレンタカーを返却した。
列車の時間まで、1時間くらいあったので、付近を散策。
駅からまっすぐ正面に見えていた海岸の方に向かって歩いて行ったら、浜辺に突き当たった。

とても気持ちいい海。
そして素晴らしい空の雲。
しばし見惚れる。
もぅ、秋の雲なんだねぇ。
綺麗だぁ
旦那が「また来ようね! 次は晴れの日に」と言って笑った。
だねぇ〜(笑)

◆掲載している写真を大きな写真で見られるように写真集のページを作りました。
良かったら「月の光」だけでも大きな写真でもう一度ご覧ください。(^^)
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