子カバの個人面談

5月○日、今年から小学校も家庭訪問が廃止となり、親が直接学校に行って個人面談という形をとる事になった。 (ちなみに、長女の方は中3と言う事もあって三者面談である、しかも塾でも面談が予定されており、 長女と二女の面談日がごっちゃになってしまう今日この頃でもあるが・・)

さて、今回は二女(小学校)の個人面談に行ったわけだが、家庭でのお子さんの事を話して欲しいと言われても、一体どこまで話したらいいのか 正直言って迷った。これと言って特に大きな問題はないと言えばそれまでだし、家庭で躾るべき事を先生に話しても仕方ないと思うし・・・。
年に何回かの懇談会で話される子供の問題点というのは、そのほとんどがハッキリ言って親の躾の範囲内であると私は思う。 担任にそれぞれの子供の性格性質を解ってもらったとしても、担任が38人それぞれの姿勢で対応出来るかと言うと、それは土台無理な話であり、 現に担任から返ってくる言葉は、家庭でのお子さんの教育、躾をキチンとして欲しい、である。ごもっともである。
そこで廃止となった家庭訪問なのだが、まぁ親にとってはいろいろ片づけたり部屋や玄関をキレイにしたりと大変でもあるけれど、 どんなにキレイにしたとしても、家庭を実際見る事で、どれだけ親がオブラートに包まれた言葉を発してもその真相を担任が見つけ出す事が出来る という利点はあると思う。それは各家庭のお茶の出し方や、庭やベランダを観ただけでも何かを感じ取る事があるだろうし、他にもベテランの教師であれば 私には気づかない所を少なからず感じ取っているはずである。それは担任でなくとも、友達同士でも同じ事が言えるのではないだろうか? いつも仲良く話してる人の家を初めて訪れた時、それまで気が付かなかった事が家の中を見て感じ取った事って、良くも悪くも一つくらいあるでしょう。
今回、学校に赴いて喋る親たちの言葉が、担任にどれだけ参考になるのかは私には判らないけれど、 家庭訪問を廃止にした事で、言葉では担任が感じ取れなかったものまでも無くしてしまったんじゃないか・・と思う。

ってな訳で個人面談に行ってきた私は、当たり障りのない言葉で家庭での様子を伝え、担任からはこれまた特に問題は無しとする我が子の学校での様子を 聞いて終った。
本当は、先にも言った様に、家庭で躾なきゃいけない問題点はいくつかある。 困った事にそれは、二女の友達の家庭環境に関係している。
6年生になってから遊ぶ友達が変り、帰宅時間が遅くなった事にはじまった。 それまで特に門限は決めていなくても夕方5時半には帰宅していたが、友達が変ってからいきなり遅くなったので門限を6時と決めた。 しかし、それでも二女は早いと言う、うちの夕食タイムは6時半なので、何故早いのか訊いたら、最近引っ越してきたというその友達のとこは 共働きで親の帰宅は8時以降であり、当然夕食も遅く、おまけに二人兄妹のその娘の兄は高校生で、その兄は夜中に帰宅したり帰らない日もあるという。
娘は「だから、6時に帰っても友達は家に独りぼっちでかわいそうでしょ」と言うのである。 おまけに困った事に、その娘は両親からお金をいくらか貰っていて、遅い時間の夕飯までお腹が空くだろうからと、5時頃お菓子を買って食べる習慣があった。 その為、二女もその娘に付き合ってお菓子を食べ、うちの6時半の夕食は少ししか食べられないという悪循環が続いていた。
それでも、よそはよそ、うちはうちの時間帯として、厳しく6時の門限を守る様に言い聞かせた。それに夕食を残す程お菓子を食べない事を注意したが、 その娘は6時半、7時、7時半と、ちょくちょく電話をしてくる様になった。なるべく5分以内でネと言ってはいるが、その娘がとても心配になった。
寂しい想いをしているであろうその娘の事をその親はどう思っているのだろうか?それぞれ家庭の事情はあるけれど、なんとかしてあげたいと 私の方が親心を強く抱いた。
子供にお金を与えて空腹感を味合わせない様にしていても、お金では決して本当の満腹感を得られていない事を、 親はどれだけ認識しているのだろうか?

最近の青少年の犯罪が増加しているのは、子供への親の愛情が充分伝わってないか、間違った愛情を注いでるかのどちらかが、 少しは影響しているんじゃないかとさえ想う。

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