こだわりの一曲 |
- 日時: 2005/12/25 16:05
- 名前: 那由他
- K&Kさま、みなさま、こんにちは。
「こだわりの一曲」について、この場に書き込みさせていただきます。(多く場所をとってすみません。)
音楽的な知識も持たないので、感覚だけをたより、私のこだわりの一曲についての駄文を書いてみました。 全くの個人的な見解なので、まちがっているところもあるかと思いますが、お許し下さい。 また、他の方たちの「こだわりの一曲」について、読ませてもらえたら嬉しいです。
「'39」 私は、好きな曲はその時々の、自分の心の状況で変わります。 楽しい時、悲しい時、攻撃的なとき、落ち込んでいる時…いつでも同じ曲が同じに感じるというより、自分の心の状況に連動して変化するので、特にこの一曲というこだわりはあまりないのです。しかし、「'39 」だけは、ちょっと特別です。 「39」という数字にこだわったブライアンの、この曲は、私にとっては、初めて出遭ったQueenの音楽で、Queenの王宮への門であり、Queenという大海原の水先案内人ともいえる曲なのです。 そういう意味で、私のこだわりの一曲です。 友人が貸してくれた「オペラ座の夜」の中で、この曲に一番惹かれました。 もし、私のQueenとの「第一種接近」(?)のアルバムが「オペラ座」でなく、「Queen」や、「QueenII」、「Sheer Heart Attack」であったら、どの曲に惹かれただろうかと、思います。(多分、あれですね…) 「ボヘミアン・ラプソディ」では、Queen未体験の私は、消化不良をおこしてしまったのでしょう、はじめのあたりはよかったのですが、オペラ・パートになって「?!」でした。 「預言者の唄」も今でこそ、一緒に♪Now I know、now I know、now I know♪と歌っていますが、初めて聴いた時は、荘厳なオープニングあたりはよかったのですが、♪Now I know♪が始まると、目眩がしそうでした。 それに比べて、「'39」は、親しみやすく覚えやすいメロディでした。 ある人は、「ポール・マッカトニーが作るような能天気なメロディ」なんて評していますが、「能天気」はちょっとひどい言葉ですね。
「'39」のイントロを聴くと、心に高揚感がわいてきて、上昇していくような爽快な気分になります。 フォークっぽいギター…、それから、ベースの奏でる音楽のウキウキした感じ。 そして、ブライアンのヴォーカルで、「お話」が始まる感じ。 同じ「お話」でも、「Ogre Battle」ではフレディの「聞いてらっしゃい、見てらっしゃい!こんなことがあったんだよ!」というのと違って、ブライアン・パパが子供を寝かしつける時のベッドタイムストーリーのように、ブライアンの歌声は、あたたかく、でも、あっさりと淡々と歌っています。 その歌声とコーラス部♪Don't you hear my call though you're many years away Don't you hear me calling you♪との組み合わせが、私にはとても、心地よく感じました。
その頃、私はドノヴァンという人のアルバムを持っていました。 人はドノヴァンを、「おとぎ話の王子様」と呼んだりしてましたが、私にはそれに加え、「ハーメルンの笛吹き」と「スナフキン」を足して三で割ったようなイメージの歌手です。(余計わからなくなってしまったかもしれませんね) 彼には、どんな曲があるかというと、「Colours」とか「Catch The Wind」なんて曲です。 何故ドノヴァンのレコードを買ったのか、今では覚えてません。 FMかなんかで聴いて気に入ったのか、レコード屋さんで見て衝動買いしたのか…。 アルバム・ジャケットのレタリングが、アールヌーボーっぽい文字だったのに惹かれて買ったのか…。 初めて聴いた時、「'39 」は、彼の曲とどこか似ているところがあるように感じました。 「'39」の方を、より好きになったのは、コーラスのハーモニーの美しさです。 私は、声と楽器、楽器と楽器、声と声、それらの組み合わせによって(ケミストリーというのでしょうか)ハーモニーの美しさに惹かれるたちです。(それで、独唱より合唱のほうが、好きです。)ですから、今でも、Queenの、特に初期の美しいコーラスに魅力を感じます。 「'39 」について考えているうちに、すっかり忘れていたドノヴァンを思い出せて、「一粒で二度おいしい」気持ちです。(ただし、ドノヴァンは、レコードしかもってないのに、レコードプレイヤーを現在、持っていないので、懐かしいドノヴァンの曲を今は聴けない状況です…。)
ネイティヴでない私は歌詞の意味はあまりわからなくて、声は意味を持つ詩としての部分を無視して、音として、音楽全体として聞いていました。 ちょっと聞こえてくる「the ship sailed」とか「seas」という単語から、航海の歌だと思っていました。 音楽の楽しい感じもあって、今から航海に出発するぞ〜という冒険の始まりのワクワクするような気持ちを歌った歌だと思っていました。 最後の「Pity」という言葉は、以前「我輩は猫である」で、「pity is akin to love」という言葉が出てきて、登場人物がおかしな風に和訳していたのが印象に残っていたので、歌詞はなかなか聞き取れませんでしたが、Pity meだけはわかりました。
詩を持つ曲は、「音」と「意味」で成り立つ「言葉」を使って「連想」を引き起こし、イメージを作っているので、やはり詩の意味も知っておきたいと思っています。 「預言者の唄」でも、「two by two」という言葉から、子供の頃よく読んだ「メアリー・ポピンズ」の中で、子供達が「ノアの箱舟ごっこ」をするとき、口ずさむ詩(歌)と似ているなと思い、「預言者の唄」全体も「ノア」の話や、「預言者モーセ」(「プリンス・オブ・エジプト」の主人公です。)の話と重なるなぁと思っています。
「'39」の歌詞の和訳を読み、船は船でも宇宙船と知り、「宇宙戦艦ヤマト」ならぬ「宇宙帆船カティサーク」みたいなイメージを思い浮かべたものでした。 そしてまた、悲しいエンディングだということを知りました。 のちに、キリスト教についても知るようになってからは、Pity meと言う言葉はキリスト教的だなと思うようになりました。 最後の♪For my life Still ahead Pity me♪でいったん静かになり、しばらくして、アウトロになるところ、あの無音のところが、「さみしさと悲しみ」から、また立ち上がるという気分がします。 「'39」とよく似た状況の昔話「浦島太郎」のオリジナルでは、太郎はおじいさんになった後、鶴に変身して飛んでいくそうですが、アウトロの部分が、「新しい生き方へ飛んでいく」(「浦島太郎」の場合、「鶴」)というイメージを私に与えてくれます。
長々と書いてしまいました。お目汚しで、失礼しました。 なかなかうまく表現できなくて、もどかしいです。 突き詰めて言えば、「'39」は私にとって「こだわりの」、と同時に「大切な」一曲なんだなぁと再認識しました。
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