SIDE 1 |
1.
One Vision (From The Motion Picture 'Iron Eagle') |
■Words and Music by Queen
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邦題は「One Vision 〜ひとつだけの世界」。
この曲、このアルバムのA面1曲目にしては印象が薄かった。ブライアンのギターとは対象的にドラムがな〜んか重たく感じられて
・・中間から徐々にスピード感は増していくけど、でもそれもキレの良いレスペのお陰の様な気がする。
なので、個人的にはプロモ・ビデオで聴く方が数倍楽しめる曲です。
来日公演を観て、ライヴ・エイドも終わって、またしばらくお休みかなって思ってたら、知らぬ間に店頭に並んでいた・・・
そんな記憶が残ります。アルバム発売までかなり期間が空きましたから、それまでの間はこの曲ばかり聴いていたのを思い出します。
構成的には凝っているものの、久しぶりに聴くカラっとした音のハードロックに熱くなりました。
また“ウォウ、ウォウ・・・”のコーラスが一回一回変化するあたりがQUEENらしくて大好きです。ラストの掛け合いもカッコいいですね。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 17 November 1985 △Highest Position on U.K. Chart : No.7
アルバムが発売される半年以上前にカットされた第1弾シングル。7インチはシングル・エディット。
【リミックス】 Extended Vision
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
【関連】 「Blurred Vision」
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2.
A Kind Of Magic |
■Words and Music by Roger Taylor |
1曲目の冒頭のスモークがかかった部分からこの曲に繋げても充分イケそうな気がする。
それとこの歌詞を見ても、前曲の『One Vision』と重なる部分がいくつかありますが、でもそれは
歌詞が単調な分、フレディのアドリブや歌い方を楽しめるのかも知れません。そして個人的には何と言っても、この曲での
レスペの"残響"に惹かれます。まるでレスペ自身がマジック・ショーを演ってるみたいです。それと、ベース音が心地良い程
コミカルな感じがします。
まさか再びロジャー作で(「One Vision」を除けば)ファーストカットしてくるとは思いませんでした。
でも「Radio Ga Ga」よりこちらの方が好きです。
ベストはブライアンのプレイで、まさに“マジック”という言葉がピッタリの演奏です。
それは初期の幻想的雰囲気を伴ういわゆる「魔法をかけられた」ではなく、ズバリ「マジック・ショーを観る」なのです。
ソロ部分、そしてラストのプレイにも、派手さはないものの聞き手をわくわくさせてくれる楽しみがあります。
またロジャーとジョンの小刻みなリズムに対し、フレディによる言葉一つ一つをかなり伸ばしながら歌う歌い方が、
曲全体に美しい流れを生んでいます。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 17 March 1986 △Highest Position on U.K. Chart : No.3
アルバムからの第2弾シングルで、英国でこそNo.1の座を逃したが、35ヶ国でNo.1になるというメガ・ヒットを記録した。
【リミックス】 Extended Version
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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3.
One Year Of Love |
■Words and Music by John Deacon |
邦題は「愛ある日々」。
この曲はライヴでは一度も演奏されていませんが、個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲です。
それと、この歌詞が素敵!セリフがロマンチック過ぎて酔いしれてしまう程に聞き惚れる曲です。
しかしフレディと一緒に唄うには、女性でもちょっとキーが高すぎるぅぅ
ちょっとフレディのソロっぽく聞こえ、幾分QUEENらしさに欠けますが、それでも美しい曲であることに変わりありません。
ただこの曲の落とす陰が、アルバム全体に多少暗いイメージを与えているという点で、ラストから2曲目あたりに収録されていたら良かったなって思います。
(その場合、A-4「Pain」がA-3に前倒し、A-5「Friends」がアルバムのラストに、そしてB-3「Head」とB-4の「Princes」がA-4、A-5に揃って移動です・・・勝手に決めるなって)
【シングル履歴】フランスではシングル・カットされている。
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3.
Pain Is So Close To Pleasure |
■Words and Music by Freddie Mercury and John Deacon |
邦題は「喜びへの道」。
前曲の中で歌われている歌詞の一部がタイトルになっていますが、
意味は全〜然違いますね、前曲とは一転して現実の厳しさを感じてしまいます。
外国の諺に「最善のために最悪がおきる」ってのがあると聞きましたが、「災い転じて福となす」ってとこなんでしょうか?
(よくわかんないけど)このタイトル自体が「ことわざ」みたいに感じますし、誰かさんへの応援歌にも感じます。
曲の雰囲気は大人のムードが漂い、フレディの高音ヴォイスが良い味だしてます。
この曲は大好きです!テンポは違えど「Cool Cat」と同じスモーキーな曲です。
内容は別として、サウンド的には人の心を温めてくれる優しい感触に満ちています。
例えハードロックを入り口としてQUEENファンになったとしても、
こういう曲が受け入れらるなら、きっと好みの音楽の幅も広がるでしょう。
【シングル履歴】ドイツやアメリカではシングル・カットされている。
【リミックス】 12" Version
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4.
Friends Will Be Friends |
■Words and Music by Freddie Mercury and John Deacon |
邦題は「心の絆」。
邦題もグッドだし、歌詞に本当の意味でのやさしさが滲み出ている感じがします。
が、個人的にはこの曲あたりで、このアルバムが苦手になってきます。聴いてて、Queenは何処行ったのかな?って、ふと感じます。
いかにもQUEEN的な曲には違いありませんが、何かが足りないような気がします。
詞も良ければ、メロディーも美しい。もちろん感動もします。
何故だろうとしばらく考えて出た結論は、「細部の遊び」です。“いい曲だね、特に○○○の部分が”、といった「部分の良さ」に欠けている気がするのです。
全体的な出来が一番なのはもちろんですけど、QUEENの良い曲って、必ず細部に聞き手をくすぐる要素がありますから・・・。
それが原因なのでしょうか、ちょっとフレディの(「Time」のような)ソロっぽくも聞こえます。
ロジャーが一発叫んでくれるだけで、曲も大きく変わるんですけどね。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 9 June 1986 △Highest Position on U.K. Chart : No.14
アルバムからの第3弾シングル。7インチ・シングルはシングル・ヴァージョンで収録。1992年B1のシングル再発時はB面。
【リミックス】 Extended Version
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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SIDE 2 |
1.
Who Wants To Live Forever |
■Words and Music by Brian May |
さすがに国立交響楽団の演奏は壮大なスケールを感じますし、個人的に
このアルバムの中では最高作品に挙げられます。しかし、どうも純粋なQueenとしての作品とは感じられません。
途中からブライアンがオーケストラのバイオリン軍団の中から飛び上がって弾きまくる!ってのは個人的かつ身勝手な願望ですが、
まぁそれは無理としても、オーケストラより3人のゴスペル調コーラスの方が良いなぁ〜とか感じました。
それとは別に、冒頭での、吹けばパタッと倒れそうな、まるで蚊の鳴く様な、そんなブライアンのヴォーカルは
個人的に大好きです。(おちょくってなんかいませんよ!マジで好きなんです)
長い間馴染めませんでしたけど、最近はまあまあ気に入ってきました。
QUEENには大変失礼な発言と分かっていながらも言わさせていただくと、
オケを使うよりレッドスペシャル多重録音の方が断然良かった・・・がんばれブライアン!
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 15 September 1986
△Highest Position on U.K. Chart : No.24
第4弾はエディット・ヴァージョンとしてシングル・カット。B4の日本盤シングルB面。
1992年にはA-5とのカップリングで再発されている。
【ライヴ】 『LIVE AT WEMBLEY '86』
【関連】 「Forever」
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2.
Gimme The Prize (Kurgan's Theme) |
■Words and Music by Brian May |
A4のシングルB面。
この曲は映画を観ながらサントラとして聴く分には充分楽しめますが、
個人的にはアルバムに収録されるのは最も苦手です。これは以前の印象と(まだ)変化はありません。
そればかりか、こういうフレディの歌いかたも自分は苦手だと気が付きました。
間奏のスコットランド(ハイランド)民謡風のメロディーといい、映画の内容に最も直結した曲です。
重さでは「Son And Daughter」「White Man」そして「Hitman」にも負けず劣らずの曲ですが、
面白さでは断然劣ってしまった・・・なんていうことは言わないように!誰も言ってませんでしたね、失礼しました。
こういうヘヴィなロックが、アルバムを引き締めるのです(フォロー、フォロー)。がんばってるねブライアン!
【シングル履歴】下記、リミックス参照
【リミックス】 Instrumental Remix for‘THE EYE’
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3.
Don't Lose Your Head |
■Words and Music by Roger Taylor |
映画では雰囲気も良く伝わってきてカッコいいと思ったけど、こうやってアルバムで聴くのは、苦手!
で、つい最近、友達にこう言われました、「Sweetさんは企画ものってダメみたいですね」と。
これ、強く頷いてしまうほど首を縦に振ってしまいました。
ロジャーが帰ってきた!最初聴いたとき最も苦手だった曲も、
改めて聴き直しますと、メンバー個人の個性が割と希薄に感じられるこのアルバムの中にあっては、
最も異質な雰囲気を醸し出すこの曲のインパクトはとても大きなものに感じられます。
願わくばロジャーにリード・ヴォーカルを取って欲しかったです。
【シングル履歴】下記、リミックス参照
【リミックス】 Instrumental Version
【関連】 「A Dozen Red Roses For My Darling」
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4.
Princes Of The Universe |
■Words and Music by Freddie Mercury |
映画『ハイランダー』は作品としては好きだし、とても良い映画だと思います。
この曲に関しては多少、展開に面白さを感じますが、でも後半部分といい、このアルバムにおける映画の為に作られた他の曲も
レコードで聴くには曲自体の楽しみが自分には感じられません。
Queenのアルバムは、いつでもQueenの為であってほしいと思う。Queenの為のアルバムだからこそ、メンバーの合体部分が
面白いし、そこが自分がクイーンのファンになった一番の魅力でもあるからです。
これもB-2同様、聴くたびに映画の映像が目に浮かびます。
展開の移り変わりの目まぐるしさ、厚いコーラス、ギターソロ、何を取ってもものすごくQUEEN的であるにも関わらず、今一歩、いや二歩好きになれません。
激しい中にも美しさをもう少し前面に出して欲しかったですし、スッキリした終わり方が逆にスキッリしません。
【シングル履歴】
日本では1986年10月にシングル・カットされている。
また1997年には「No One But You(Only The Good Die Young)」の
日本盤CDシングルに収録。そして2000年2月にはオランダ限定でCDシングルが発売される。
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