QUEEN DISCOGRAPHY
A DAY AT THE RACES
SIDE 1
1. Tie Your Mother Down
■Words and Music by Brian May
ブライアン曰く‘この曲のイントロは、多重録音されたギター・サウンドがまるで螺旋階段のように響くんだ。 コンサートの幕開けに相応しい曲にしたいと思って書いたのさ。’
へぇ〜、コンサートの幕開けに相応しいとは思ったけど、冒頭の部分がこの曲のイントロだとは思わなかった! 私はアルバム自体のイントロだとばかり思ってました。だってこのアルバム・ジャケットのデザイン、ちょっと東洋っぽいし 銅鑼で始まってるし・・・そうかぁ〜この曲のイントロなのかぁ〜、でも今更そう言われてもなぁ〜(だから思い込みってコワイ) それとイントロがライヴの幕開けに相応しいなら、冒頭のギターをかき鳴らす音も観てる側にとっては飛び跳ねるスタンバイに相応しいと思う。
冒頭のドラの“ズァ〜ン、ジャーン”の後に、“タンタタ・タンタン、タンタンタ〜ン”と続けば、 まるで中国何千年の歴史か香港映画の道場シーンを見ているみたいです。 そのどこか東アジア的な雰囲気の後に、いかにも西洋的な教会を匂わすパイプオルガン風の音が続くのは、かなりアンバランスな展開です。 しかし実はこのアンバランスさがとても重要でして、このアルバムを聞いた瞬間、嫌が上でも聞き手が興味を持つよう計算されたものではないかと想像します。 さらにものすごく突飛な想像をしてしまえば、このアルバムにはミリオネアあり、ゴスペルあり、白人&インディアンあり、日本語ありなわけでして、 この曲の異文化混合イントロは、ある意味これら全体を象徴しているかのようです。だからこのアルバムは「races(人種・民族)」なのです。 う〜ん深いなぁ〜・・・えっ、全然ハズれてるって?私もそう思います(^^;;

【シングル履歴】◎U.K. Release Date : 4 March 1977 △Highest Position on U.K. Chart : No.31 Tie Your Mother Down 蘭盤7 Tie Your Mother Down 日本盤7
シングル盤はイントロを削ったエディット・ヴァージョン。
1997年には「No One But You(Only The Good Die Young)」の英国盤シングルに収録される。
【リミックス】 1991 Remix by Matt Wallace
【ライヴ】 『LIVE KILLERS』 | 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
2. You Take My Breath Away
■Words and Music by Freddie Mercury
歌詞もメロディも絹の様なフレディのヴォーカルも実に美しく、ピアノ音の余韻まで美しい。 余りに美しすぎて何故か哀しくなってくる・・・はぁ〜。
究極のラブ・ソング。“愛”を歌ったQUEENの曲なら、私の中では一二を争います。 フレディの美しいヴォーカルを聴いてるだけで、こちらの息が奪われそうです。それくらいの静粛さが漂いま、ゴホッ。 こらこら、そこでムセるんじゃない! だって、い・息が・・・傑作です。
3. Long Away
■Words and Music by Brian May
甘くて可愛くて少し切ない、そんなイメージを持ってしまう曲で、それはこの頃のブライアンがステージで着てた衣装と 同じイメージです。ギターの音色は星空の様だし、シンバルもまるで鈴の音みたいに可愛いし、ベースのやさしい音色も夜空を滑ってるみたい に響いてきます。特に後半はベース音に耳を奪われます。 それから途中、レスペの音が後ろで流れたままベースの余韻が一瞬止まって、そしてブライアンが唄いだす部分は、 絶妙〜な“間”だと思います。こりゃもう出来たら満点の星空のもとで楽しみたい曲です!クリスマス・シーズンにはピッタリ合いそう♪
いろいろなギターの音色は、まるで夜空にきらめく星のよう。 ぼんやりと眺めていると、時が経つのを忘れてしまいそう・・・・・・おっと、ぼんやり眺めてる場合じゃないんだ、 早く全曲にコメント付けなきゃ。♪さっちゃろんがうぇ〜、まだまだ残り10枚以上はあるぞー。 間奏のギターのメロディーがいいですね。でもその明るさが逆に、どこか切なさを感じさせます。
4. The Millonaire Waltz
■Words and Music by Freddie Mercury
これを最初に聴いた時は面白い曲だなぁ〜と感じました、だってワルツなんだもん! この曲構成は『Bohemian Rhapsody』になんとなく似てる気もするけど、オペラとロックの融合も有りなら、 ワルツとロックの融合も有りって事で、前半はベース、後半はレスペと一緒にワルツを踊れるなんて、こんなに楽しい曲はないっ!
とてもドラマティックな曲です。 何度も繰り返される“Come back to me(戻ってきて)”を聴くと、 「Love Of My Life」の“Back hurry back(急いで戻ってきて)”を思い出します。 それにこのアルバムA-2「Breath Away」にも“So please don't go(だから、どうか行かないで)”とあります。 どうやら“愛”って逃げやすいようですね。でも心配は要りません。なぜって、3時のお茶の時間には戻ってくるからです。 愛って不思議だなー。♪ふぁに〜はうら〜びず(ワルツ風に歌ってください)
5. You And I
■Words and Music by John Deacon
アコースティック・ギターを弾いているのはジョン。
なんてロマンチック!なんてスウィートな曲なのでしょう!思わず“お茶はいかが?ダーリン♪”とキュートに振る舞いたくなってきます。 当時からかなり聴き込んだ曲であり、この曲は4人が上手〜く調和してると思います。 個人的にこのアルバムの中での最高作品です。やったネ、ジョン!って感じで、とにかく聴けばハッピー♪歌えばハッピー♪ そしてクイーンもハッピー♪なのです。
幸せな気分になれるので大好きな曲です。 汚れをしらない、健全・健康、ニコニコ・ソングなんです。 だいたいイントロのピアノが、少年少女向けと言いますか、すごく義務教育的なんです。 音楽の先生が、“さあさあ、みんな歌いますよ〜”と生徒に呼びかけながらピアノを弾くみたいな。 フレディが“ううう・う〜う”と入った後に、思わず先生が“ハイっ”って歌い出しのキューを送ってくれそうですもの。 みなさん半ズボンでも履くとしますか。

【シングル履歴】A1の英国盤シングルB面。
SIDE 2
1. Somebody To Love
■Words and Music by Freddie Mercury
ゴスペル・コーラスはジョンを除く3人。邦題は「愛にすべてを」。
これは、このアルバムの代表曲と言えるかと思いますが、このアルバム自体、「オペラ座の夜」の第2弾という格付けされて、 代表曲なのにちょっと隠れてしまってる感じがします。でもそれが返って良かったと言うか、隠れた名曲の部類に入ってしまった感じで ライヴでは妙に盛り上がる様な気がします。さて、この曲ですが冒頭からグイグイ惹きつけられてしまうしブライアンのギターもゴスペル・コーラスも素晴らしく、 それに合わせて歌うフレディの高音ヴォーカルも素敵です。でもやっぱりこの曲はライヴで聴くともっとカッコ良い。
フレディの美しいヴォーカル、そして声域が堪能できます。 時に荒々しくなる瞬間もありますが、そこがまた堪らなくカッコいいのです。 「Somebody To Love」というタイトルはいかにもフレディで、そのままこの思いはソロの「Living On My Own」へと続いて行きます。 つまり《求める》→《得る》→《去る》→《孤独》→《求める》→《得る》→《去る》→《孤独》・・・の繰り返しです。 しかし一方でフレディは「Born To Love You」な男であります。 この曲は、音楽に生き、愛に生きたフレディが残した傑作の一つだと思いますし、私の中ではいつでも別格な存在です。 ちなみに私は、シュガーの「ウェディング・ベル」の元ネタはコレだと信じています。

Somebody To Love 英国盤7 Somebody To Love 日本盤7 【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 12 November 1976
△Highest Position on U.K. Chart : No.2

【リミックス】 1991 Remix by Randy Badazz
【ライヴ】 『GREATEST HITS V』

2. White Man
■Words and Music by Brian May
これ、WISE MANでなくてWHITE MANなんですよ!(って、わかっとるわい!) ぃゃ、なんとなく出だしの雰囲気といい、フレディの力強いヴォーカルといい、ド迫力の展開といい、ギターの激しいうねり具合といい、 もしかすると間違えちゃってたりなんかしてるといけないと思って・・(いらん世話ぢゃ!) あっそ!・・・ドドンっ!
♪シンプルマ〜ンと歌っているときは確かにシンプルなんですが、 ひとたびドラムが叩かれると、分厚いコーラスが加わり、ヴォーカルも一段と力強くなって、かなりヘヴィな曲に変貌して行きます。 さらに音のヘヴィさに加え、詞の内容もヘヴィというこの曲は、まさにブライアン作。

【シングル履歴】B1のシングルB面。
3. Good Old-Fashioned Lover Boy
■Words and Music by Freddie Mercury
途中ヴァーカルでエンジニアのマイク・ストーンが参加。邦題は「懐かしのラヴァー・ボーイ」。
この曲はギターが凄いです!何が凄いって、ギターの専門用語がわからないので上手く説明出来ませんが、 なんと言うか、弾き終りのキュッ♪ってヤツなんですが、それがなんとも会話的に聞こえます。それにこの曲でこのキュッ♪って音無しでは 雰囲気が出ない程、大切なポイントだとも感じます。個人的にレスペが可愛いくて可愛いくてしかたない曲です♪
B-1「Somebody To Love」、そしてこの曲と、 このアルバムはシングルカットされた曲の方が他の曲より珍しく(?)断然素晴らしいと思います。 コーラスが最高なのは言うまでもないですが、ギターがとても軽やかで、間奏のソロ部分はまるで若いカップルが会話をしているかのようです。 特に最後は、“ウィトゥトゥ(会いたいよ)”“フュ〜ウィ(私もよ)”“キュルルゥ(本当に?)”“フュ〜ウィ(本当よ)” こんな感じに聞こえます(何の説明だかよく分かりませんね)。 ちょっと青春の香り漂うロマンティックな一品で、私の永遠のお気に入りチューンであります。

First E.P. 英国盤7

【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 20 May 1977 △Highest Position on U.K. Chart : No.17
初のEP盤としてカットされている。他収録曲は、「Death On Two Legs」「Tenement Funster」「White Queen(As It Began)」。 また日本のみシングルカットされたB-5のシングルB面。

4. Drowse
■Words and Music by Roger Taylor
邦題は「さまよい」。
これって結構聴く時の雰囲気を選びたい感じします。例えば休日の午後の昼下がりとか、少しのんびり気分の独りの時間帯とかに聴くと すごく良いんですよ。とはいえ、このロジャーのソフトな高音ヴォーカルはいつ聴いてもハートにグッときます。 そして、このラストでのロジャーのセリフ部分は、もぅ何年経っても堪りませんですなぁ!
中間の“Out here on the street”から曲調が一転して早くなりそうだけど、 そうはならず肩透かしを食らうところが面白いです。 そうです、イヤなんじゃなくて、面白いんです。お間違えないように。

【シングル履歴】A1の日本盤シングルB面。
5. Teo Torriatte (Let Us Cling Together)
■Words and Music by Brian May
ハーモニウム・ピアノとプラスティック・ピアノを弾くのはブライアン。邦題は「手をとりあって」。
当時、"フレディが日本語で歌ってます"という情報でアルバム発売前から異常〜〜に興奮しまくった曲なのに、 なのに何故か今ではあまり聴かなくなった曲でもあります。かといって苦手になったわけではありません、我ら日本人ファンに対しての 感謝の気持ちはとても嬉しいですから。ただ、曲の展開にあまり楽しみが感じられないと言うか、自分には盛り上がりに今一歩足りません。
それから余談ですが、このシングル盤ジャケのジョンの顔を見るたび呟いてしまいます、“他にちゃんと写ってる写真ないのー? もしかしてフィルムが足らんかったのかぁ?”・・と。
Teo Torriatte (Let Us Cling Together) 日本盤7 日本語を取り入れながらも、最後のサビでは教会の合唱隊ばりのコーラスを導入し、 そのまま冒頭同様オルガン風のエンディングに持って行く。つまりこのアルバムの最初と最後の曲は東洋&西洋ミックスなんですね。 中間の「ホワイトマン」といい、やはり「races=人種・民族」説の確信犯はブライアンだったのか!(だから違うって言ってるだろ!)

【シングル履歴】日本でのみ1977年3月25日にシングルカットされている。
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