K&K QUEEN FAN CLUB / K&K VIRGIN QUEEN
Notes : September 29th, 2003.
【LPレコード・レーベルの見解】


はじめに
HMV  レコード盤の中心にあるレコード・レーベルが紙で貼られるようになったのは、 1988年で、英国グラモフォン社が始めたのが最初です。それ以前は、レコードに直接手書きだったそうです。
その英国グラモフォン社が、HMVの略称で世界的に通用するようになったのは、 イギリスの画家フランシス・バラウドが描いた絵と共に、 そのタイトルである「HIS MASTER'S VOICE」を大きくレコード・レーベルに採用してからです。 (*写真右は米RCAビクターが英HMVと提携していた1950年代、HMV録音のレコードに使用していたデザイン。)

 さて、クイーンのLP盤の魅力と言えば、LPジャケットが挙げられると思いますが、 今回はLPレコード(日本盤)のレーベルとそのデザインに注目して、その見解をまとめてみました。


■ バタフライ・レーベルのLP盤〜
EP盤レーベル
 初期のクイーンのレコード・レーベルと言えば「エレクトラ」。初期のEP盤にはワーナー・レーベルもありますが、 エレクトラのデザインは「芋虫」です。そしてLP盤では「アゲハ蝶」です。結構、“粋”ですね。
そのバタフライ・レーベルは、「Queen」 「Queen2」 「Sheer Heart Attack」 「A Night At The Opera」 「A Day At The Races」の5枚のLPレコードで見られます。
しかし、同じアゲハ蝶でも微妙に違うことに気がつきました。

 下の2枚の写真をよーく見て下さい。
左側は1974年7月に購入した「Queen2」です。右側は90年代に買い直した「A Night At The Opera」です。 この二つを見比べると、約30年近く経っているものの「Queen2」の方がアゲハ蝶と背景のカラーが濃いのがおわかりでしょうか?
Q2OPERA

 そこで、1975年12月に購入した「A Night At The Opera」を取り出して調べたところ、 90年代に買い直したものとは違って、「Queen2」と同じ、背景カラーとアゲハ蝶が濃く、ロゴが薄目にプリントされていました。 (もちろん、ロゴは「QueenU」ではなく「Queen」です。)
残りの3枚のLP盤を調べてみると、90年代に買い直した「A Night At The Opera」と同じ、 3枚ともアゲハ蝶と背景カラーが薄く、ロゴが濃い目でした。
この事から(私が所持している範囲内ですが)、初期から5枚のLP盤は同じアゲハ蝶でも、 「Queen2」と「A Night At The Opera」の2枚は、背景カラーとアゲハ蝶が濃く、ロゴが薄目にプリントされているということが判明しました。
*あなたが所持している日本盤5枚もチェックしてみてください。


■ レコード・レーベルからアゲハ蝶が消えたLP盤〜
News Of The World
 同じエレクトラでも、レコード・レーベルからアゲハ蝶が消えたのは、6枚目のアルバム「News Of The World」からです。
そして1977年以降のレコード・レーベルには、それぞれジャケットのカラーやデザイン、タイトルのロゴが使用され始めました。
しかし、左の写真を見てもお判りのように、「News Of The World」だけは、 なぜか前作「A Day At The Races」のジャケット紋章が使用されており、しかも中途半端なカラーです。 私の考察では、これは単に新作のジャケットデザインが間に合わず、 仕方なく前作のデザインを配色変えてプリントしたのではないかと思われます。

JAZZ
 「JAZZ」のレーベル(写真右)はデザインが凝っていますが、1分間に33 3/1回転もするだけに、 自転車に乗った女性のイラストは、大きめに1つだけ描いた方が、それらしく見えるのではないかと思われて仕方ありません。 しかし、ジャケット写真のデザイン(グルグル)をそのままレーベルにも描かれていたらと思うと、想像するだけで目が回りそうです。

HOT SPACE
 「Hot Space」のレーベル(写真左)はシンプルでいて、とてもインパクトのある配色カラーです。 しかしこの4色カラー使いは、他のアーティストのアルバム・ジャケットにも使用されていたりしますし、 定番なのか、この配色使いはよく見かけたりしますし、また、私だけかも知れませんが、 この4色の形からダイヤモンドゲーム盤を思い起こしてしまったりします。


■ レコード・レーベルがメンバーのLP盤〜
 1979年、初のライヴ盤でメンバーがそれぞれレコード・レーベルに登場。
LiveKillers_BLiveKillers_FLiveKillers_RLiveKillers_J
 2枚組で計4面だからというワケではないでしょうけれど、 「Live Killers」では、Side Oneがブライアン、Side Twoがフレディ、Side Threeがロジャー、 そしてSide Fourがジョンになっています。 決まっているわけではありませんが、Side Oneがブライアンになっているのが、少々慣れません。
また、赤と緑の配色は、互いに発色を高めあう相乗効果を持つ組み合わせだそうです。 しかし赤盤の方はプレイヤーの黒いターン・テーブルにのせると、(透明なので)当然のことながら発色は減少してしまいます。 写真では黒く見えますが、一応、赤なのです。




Queen(日本盤)LPレコード・レーベルのまとめ
発売年アルバム・タイトルレーベル / デザインの特徴作者記載Time記載
1974QueenElektra/ アゲハ蝶×
1974Queen2Elektra/ アゲハ蝶
1974Sheer Heart AttackElektra/ アゲハ蝶
1975A Night At The OperaElektra/ アゲハ蝶
1977A Day At The RacesElektra/ アゲハ蝶×
1977News Of The WorldElektra/ レースのジャケット紋章
1978JazzElektra/ ファットボトムドガールズ×
1979Live KillersElektra/ 各メンバー×
1980The GameElektra/ 白地にタイトルロゴ×
1981Greatest HitsElektra/ エレクトラのロゴのみ
1981Flash GordonElektra/ 黄色地にタイトルロゴ×
1982Hot SpaceElektra/ 4色カラー×
1984The WorksToshiba-EMI/ 朱色地にタイトルロゴ×
1986A Kind Of MagicToshiba-EMI/ 黒色地にタイトルロゴ×
1986Live MagicToshiba-EMI/ 赤色地にタイトルロゴ×


 全体的に見て、レコード・レーベルのデザインは初期の頃に比べて没個性的になっていったように感じています。 それは、アナログレコードの歴史から見てもそうですが、1982年の登場からたった5年で、 アナログレコードの生産数を上回ったCDの影響もあるのではないかと思います。


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