K&K QUEEN FAN CLUB / K&K VIRGIN QUEEN

【第三回 研究レポート:ポピュラーミュージックにおけるハスキーヴォイスの与える影響】
ハスキーヴォイスは最高だ!
キースのように顔がロックな人も得だが、何よりも声がロックであることは、ロック・ミュージシャンたるもの最強の武器である!

ポップ?緩くてもこの声ならロックだ!
 80年代に活躍したビリー・スクワイアは、今のロックファンには馴染みがなくても、クイーンファンには馴染み深いことでしょう。 彼のサードアルバム『Emotions In Motion』は、フレディとロジャーが参加し、おまけにプロデューサーはマック! 彼の声は、ロジャーよりも強く、そしてラフで、かなりロック向きなヴォーカルだと思います。 前述のアルバム収録のバラード「In Your Eyes」はマイ・フェイヴァリット! ゆったりとしていても甘くならないのは、彼の熱い歌声にあります。くどいけど...
 日本でも人気のブライアン・アダムス。 かなりアメリカンなノリで(実際には彼はカナディアンだけど)、ちょっと私の好みではありません。 とは言えポップかつストレートな「Summer Of '69」はまあまあ好きでして、ズバっとロックに聞こえるのも、彼の声のおかげかなと...
エッジが効く!メタルにならないロックな声!
 ビリー・スクワイアはとにかく熱く、鼻にかかった歌い方は、声と同時にちょっと息(蒸気)が漏れるのです。 『Emotions In Motion』は冒頭2曲しか聴かないというクイーン・ファンの方、 是非とも歌い出しから力いっぱいの「Learn How To Live」も続けて聴いてみて下さい。
 ケリー・ジョーンズは、ウェールズ出身のステレオフォニックスのヴォーカル&ギタリスト。 『Kerrang』の表紙も飾るなど、ハードロックファンにも人気の彼の声は、体格に似合わずズ太く、かなりデカい! セカンド・アルバム収録の「Roll Up And Shine」や「Half The Lies You Tell Ain't True」あたりはヘヴィでカッコいい。 ステレオフォニックスは非常にロックのツボを心得たバンドなので、ケリーがこの声を持っていたというのは本当にラッキーだったなと、つくづく思います。
静かにそしてこの声に情熱を込めて!
 軽くソフトに...一歩間違えればAOR。しかしハスキーヴォイスを持っていれば、バンドかソロかは関係無しに、そう甘くはならないのです! シカゴが、スピードワゴンが、エイジアが、スティクスが、み〜んな80年代前半の産業ロックにドップリ浸かってしまうのも、甘〜い甘〜い歌声がいけないのです。 あ〜感謝感謝のハスキーヴォイス。
 ブライアン・アダムスもヒットチャートの常連であり、売れなくても我道!というタイプではないけれど、 売れるのは彼のソングライティングの才能によるところ。 「Straight From The Heart」なんて売れ線だけど、熱いロックを感じさせてくれます。
 バラードの名曲をあげたら切りがないのはロッド。 彼の曲には熱というより心、少し寂しくどこか懐かしい、そんな思いが感じられます。
ナチュラルに奏でても、この声あればロック!
 ケリーはロッドのカバーもしているのですが、これが本当にハマり過ぎ。バラードを歌わせてもケリーは上手いのです! ただロジャーやロッドのような、かすれて消え入るような声で歌うのは苦手なのか出来ないのか...とにかく静かにデカいのです!? (いるじゃないですか静かに歌えない人、ヒューイ・ルイスのように。)
 ハスキーヴォイスの代名詞的存在ロッド・スチュワート。 彼はバラードを歌わせたら天下一品だけど、ロックな曲もなかなか。 フェイセズ〜『Never A Dull Moment』、この時代は独特なルーズ感と彼のソウルフルな歌声が見事に調和した名曲がいっぱい! 彼の声はやや軽めなので、70年代後半以降のシンセを多用したサウンドをバックにすると、ちょっと安っぽい印象を受けますが...

【お・ま・け】 彼らに歌って欲しい!ロジャーの作品
B.スクワイア Fight From The Inside 必要以上に熱く、グイグイと前のめりに歌うヴォーカルスタイルにピッタリ!
K.ジョーンズ The Loser In The End 彼の手に掛かればよりヘヴィかつパワフルに。もちろんギターも彼自身!
B.アダムス Man On Fire 似合うかどうかはともかく、彼の場合はストレートかつ軽快な曲に限ります!
R.スチュワート Believe In Yourself 彼が歌えば、背景が夜ではなく夕暮れに変わるはず。優しくそして温かく!

最後に、ロジャーに歌ってもらいたい曲として、キム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」をあげておきたい。