ROGER:

あい・がた・ぷれっしゃ・ぷれっしゃ・ぷれ・・・・・・お・お・おやっ? お〜い、フェアリー、また機械の調子が悪いぞ〜。

FAIRY:

マダガスカル!

ROGER:

せっかく、いいアイデアが浮かんだなのに、これじゃ記憶しておけないよ。

FAIRY:

ガラパゴス!

ROGER:

訳の分からないこと言ってないで、すぐ直してくれよ。

FAIRY:

アイアイサー!・・・・・・ハイ、これでOK!

ROGER:

サンキュー・・・なあフェアリー、またネット・ライヴやろうか?

FAIRY:

う〜ん、ネットは平面だからね。立体感がない分、生ライヴには勝てないよ。 それに何と言っても臨場感。やっぱり椅子に腰掛けて見るなんてライヴじゃないよ。ビデオの方がましさ。

ROGER:

まあ、それはそうだけど・・・うまくやればコストも安いし、 一度に多くの人が見れるわけじゃないか。

FAIRY:

そこが違うんだよ!ライヴでアーティストの顔がアップで見れるなんて、前の席のごくわずかな人だけだよ。 やっぱり「邪魔だな、あのデカい男」「もう耳元で歌うなよ」と他の客に気を取られて、なかなかステージに集中出来ずに見るのも、ライヴ特有の雰囲気なんだよ。 ネット・ライヴは環境が整いすぎ。というか“ライヴを観る”んではなくて“インターネットをやる”になっちゃうんだよ。つまり日頃の生活と変わりないのさ。

ROGER:

そうかな。でも皆がよく見えた方がいいと思うんだけどな。

FAIRY:

それはそうなんだけど、僕の言ってるのは、その場の持つ雰囲気の話。 あの「非常口」「禁煙」ていうネオンサインが有るか無いかでも違うよ。

ROGER:

そういうもんかね。

FAIRY:

そ、だからその見るからに重そうな腰を上げて、早く日本に行きなって。

ROGER:

でも、お金がかかるんだよね。ステージ・セットやら何たらで・・・。

FAIRY:

セットなんかどうでもいいよ。あっ・・・この納屋でいいじゃん。 壊して現地で組み立てれば。超時空要塞ハイパーバーン!かっこいいぞ。

ROGER:

何が超時空なんだよ。

FAIRY:

グアテマラ!

ROGER:

まあ、この前ケンブリッジで会った、何だっけな・・・名前は忘れたけど・・・、 その日本の娘にも言われたんだけど、日本にはまだ大勢ファンがいるみたいだし、そろそろ行ってもいいかなとは思うんだけど。

FAIRY:

そうだろう。何ならうちの田舎の納屋を貸そうか?とてもサイバーでもなければハイパーでもないけどな。 日本全国縦断ロジャー・テイラー納屋ツアー!田舎の少年少女にとっては、“オラが村にあのロジャー・テイラーが来るだべさ”なんて言って大喜びだぞ。

ROGER:

でもたたでさえ遠い日本で、さらに地方を巡るなんてとても出来ないよ。

FAIRY:

それじゃ、せめてインターネットでライヴ演ってやれよ。

ROGER:

お前話の筋が通ってないぞ!

FAIRY:

オスマントルコ!