roger taylor live at the junction
in cambridge, 28 march.1999

list
We Will Rock You / Drum
Pressure On
A Nation Of Haircuts
Believe In Yourself
I Want To Break Free
No More Fun
Tonight
A Kind Of Magic
Surrender
Days Of Our Lives
Drum/Under Pressuer
Lodon Town-C'mon Down

encore 1
I'm In Love With My Car
Tenement Funster
Strange Frontier

encore 2
Happiness?
Radio GaGa

ケンブリッジのホテルの人にジャンクションの場所を訊ねたら、歩いて15分だと言って簡単な地図を書いてくれた。
ライブのドアオープンは7時。ホテルを出たのは夕方6時15分過ぎ。
地図の通りに歩いていくと橋があって、それと交差するように下の路が見えた。でも会場らしい建物は見当たらなかったので地図が示す辺りをよく探していたら、20人程が列を成しているのが橋の上から見えた。 しかし並んでる人たちの前にあるその建物は、どう見ても倉庫にしか見えなかった。

↓ライヴの翌日、ロンドンに向う電車の窓から見えたジャンクション。正面に見える方は裏口で、まだ白い機材運搬車が停車していた。

橋を超えてから交差してる下の路に入り、標識通りに畦道をトボトボと歩いて行くとデカイ機材運搬車が数台止まっていた。それを見てすぐに、ここは立ち入り禁止の裏口だと分かった私は表に周ろうと建物の右側に向かったが自分の身長ほどの柵があって、さっき来た道を戻らないと表に行けない事も分かった
・・がしかし、表入り口は柵のすぐ向こう側だったので面倒だと思い、その柵をよじ登って飛び越えた。 すると飛び降りた横に停めてあった一台の車のドアが開き、中からデカイおっさんが出てきた。そして何やら私に向かって叫んできた。“そんなとこ乗り越えちゃダメだよ”って注意されてんのかなと思ったけど、 どうやら裏口の様子を伺ってる感じだった。でもその時はよくわかんなかったので無視してしまった。(おっさんはまたすぐ車に戻った)

早く来たつもりだったのに入口には既に20人以上の人が並んでいた。寒風が吹きつける中ジッと待つ。少しずつ人が集まってくる。皆、インナーにクイーンのTシャツを着ている。ロジャーのTシャツは当然だけど中にはブライアンのTシャツを着てる人もいた。そして背の高い男の人が、「よぉ〜っ!!」とかなんとか叫びながら歩いてきた。見ると「KISS」の懐かしいTシャツを着ていた。そして、さっき柵を飛び越えた時に何やら叫んでたデカいおっさんが同じ様な体格のデカい女の人と一緒に、あの車から出てきて後ろに並んだ。 よく見てみると二人とも「エレクトリック・ファイアー」のTシャツを着ていた。そして二人とも身体がデカいから胸のとこの「電気ストーブ」が横に伸びてエライ大きさになっていた。それをジッと見ていたら気が付いた。 そのおっさんのムチムチした左腕に描かれたすんげぇ刺青に!(ひぇ〜〜)

それから時間の経過と共に列に並ぶ人数も増えていった。私より後ろに並んでる人たちは40代〜50代の(身体がデカい)人が多く、逆に私より前方で早くから来て並んでいる人達は見るからに20代前後の若い人が多かった。(ちなみに若い人たちも皆、身体はタテもヨコもデカかった)

私の身体も充分冷えききった頃やっとドアが開いた。外観が倉庫みたいなら中はもっと倉庫みたいだった。 会場までの通路の右側の壁には明日(3月29日)発売のCDシングル宣伝ポスターが貼ってあった。 左側の壁には私の身長の遥か上の方に小さい窓が並んでいた。 そこを急ぎ足で抜けて会場に入った。先ず目に飛び込んだのは酒瓶が並んだ小さなカウンター・バー。そして中央にステージがあって後ろの方には テーブルとイスが何脚か置いてあった。ピンボールのゲーム機が2台とグッズ売りの店(と言っても小さいワゴンセール)があった。 会場は小さな“ライブ・ハウス”みたいな感じだった。

スタンディングなので、私はグッズを買いたい気持ちを押えつつ急いでステージの前列を目指して走った。 なんとか前から3列目に入り込んだ。今までこんな近く(前で)ライブを体験した事は無かったけど、ここは外国・・・。 身長が158cmにも満たない私は3列目だと言うのに・・言うのに! 周りの人が背が高くてデカくて前が見えん!見えへん!(前の兄ちゃん、座ってくれ〜!と心の中で叫ぶ)
仕方なく、前の人の肩と肩の間から上手く覗き込むようにしてステージセットを見た。
ステージ後方にはドラムセットが2台あった。片方のバス・ドラのデザインだけ深緑色で、 あの「電気ストーブ」が描かれていた。そしてステージの後ろの壁には大きな電気ストーブの垂れ幕?が下がっていた。

それから開演まで周りの観客の観察をした。
私の後ろの人たちはバーからビールを買ってきて飲みながら談笑していたが、一番前にいる人達は待ちきれないって感じで、 若さ弾ける雰囲気がビシバシ伝わってきた。そしてどうやら全員仲間のようだった。もしかして、あれがロイヤル・ファミリーなのかな ? でも全員、どう見ても二十歳前後の若い兄ちゃん姉ちゃん達だった。そして一番驚いたのは私の斜め前のブロンドの若いおネェちゃん二人。 この二人の服装が肌をすごい露に出してて“イケイケネェちゃん風”(って、これ死語 ?)化粧の濃いその顔は「ライク ア バージン」を歌ってた頃の マドンナそっくり!(50近いロジャーに、まだこんなファンが付いてるなんて ・・ロジャーの魅力って!?)
またいろいろ見渡していたら、私の斜め後ろの女性(40歳くらい)と目が合った。相手は私より先に私を見ていた感じで、 目が合った瞬間に微笑んでくれた。私も微笑み返しをしたけど、どうも相手の微笑み方は幼い子を見守る様な目つき(笑み)だった。 (一体、私はいくつに見えたんだろう? )

そうこうしている内にBGMが止まり拍手が起こる。
ステージに出てきたのは3人でアコースティック・ギターを持ったTreana Morris。 CDだけで聴いてた彼女の声から想像してた感じとはまるで違ってた。想像してたのはクイーンのビデオ「Breakthru」に出てくる デビーの様な都会的ブロンド女性だったのだけど、実際の彼女はとても素朴な感じでショート・カットがよく似合う大学生と言った感じの 小柄で可愛い女性だった。 そしてもう一人も一緒にアコギを弾く少し太めの決して若くは見えない男性だった。最後の一人はキーボードの前に座った。 その若い男性はどっかで観た様な感じがしたけど思い出せなかった。でもこの人無表情で緊張しているのかちっとも笑わなかった。 全然愛想無いけどでも陰のある感じでイイ男だなと思った。(タイプではないけど)
しばらく3人の演奏が続き前座だと思って私はテープの録音をストップにしたままだった。そしたらラストになんと、 "Sleeping On The Side Walk"を歌い始めた!私は慌てて録音ボタンを押した。 この曲を女性版で聴くのは初めてで原曲そのままに歌う彼女は上手かった。でも個人的にはやっぱりブライアンのヴォイスの方が好き。 雰囲気も大事にしたいし。

そして3人がステージから消えると、 Pressure Onの出だしのメロディが流れ始めた。 と同時に大きな歓声が湧き起こる。ひとりずつバック・バンドのメンバーが出てきたと思ったら、さりげなくロジャーが出て来た。 そしてそのままドラム・セット(バス・ドラに電気ストーブが描かれてる方)に座り、 We Will Rock YouのDrum。
久しぶりに生で観たロジャーのドラミングに感動。時折見せるあの独特の表情(思いっきし口を尖らせて3重アゴ)も観てとれた。
そして同じ様なリズムで続け様に、Pressure On
早くステージ前面に出てこないかなぁ〜と思いつつ、私の目はドラム・セットに釘付けになった。

2曲目が終るとやっとロジャーがステージ前面に出て来た。
彼の衣装のジャケット模様までよく見えた。 驚いた事にシャツをズボンの中に入れていた!(いつも出っ腹を隠す様にシャツを出してるのに・・よく入ったなぁ〜)お髭は以前より短くなってて、ライトの加減ではほとんど無い様に見えたりした。そして茶色の丸いサングラスの奥の瞳は 3列目からもはっきりと見てとれた。

そしてこの時、ロジャーの視線は私の斜め前にいるブロンドのイケイケネェちゃん二人に向いたのもハッキリ見てとれた。
ロジャーはその彼女たちを見てニヤリと笑ったかと思ったら、 すぐそのニヤけた笑いを治めるかの様に下を向いた。それはまるで、“今夜も来てるのかぁ〜マイッタなぁ〜”とかなんとか心の中で言ってそうだった。
一瞬だったけど、わたしゃ見逃さなかったぞ〜この色男!

ロジャーらしさをビシバシ感じるA Nation Of Haircuts
ロイヤルファミリー風の前列組がリズムよく身体を動かしてロジャーに合わせて歌う。すごい気分良くてノリノリ。大好き!

ソフトなスローナンバーのBelieve In Yourself
この曲は前列組の合いの手!?(合唱)が素晴らしかった。(歌詞をちゃんと覚えていけば良かったと後悔した。自分も一緒に合唱したかったから・・)

来た甲斐あったと思った、I Want To Break Free
このライブ・バージョンを生で聴けるとは・・・嬉しすぎる! それにリード・ギターの人がすごく上手かった。見た目はとても素朴な感じの人なんだけど、 聴かせる部分(ギタープレイ)が嫌味のないブライアン(って言ったら怒られそうだが)ストレートに上手さが伝わってきて、本人もこの曲を楽しんでたみたいだった。かなりノって弾いてたし私も最高にノって歌いまくった。

これぞライブの醍醐味といった、No More Fun
サイド・ギターの愛想無し兄ちゃんが激しくヘッド・バンキングやりながらリード・ギターの人とまるで絡み合う様に弾きまくり、 それが最高だった。これは何も言う事ナシでした。

ロジャーのソフトなヴォイスが素敵な、Tonight
ラストの“チョ・チョ・チョン”までしっかり歌ってくれて、それがとても可愛かった。

40代も盛り上がった感じの、A Kind Of Magic
Queenの曲になると歓声も一際大きくその声はドスが効いてた感じがした。

再びTreana Morrisが出て来て、Surrender
前列組が再びジャンピングを始めて盛り上がる。Treana Morrisの歌声はとてもよく響き渡り、低音部分でも彼女の声はロジャーに負けていなかった。

それからちょっと雰囲気を変えて、 Days Of Our Lives
これはさすがに皆さん聞き入ってました。私は一緒に小声で歌ってたけど。

再びロジャーがドラムセットに向かい、Drum Play。そのまま前列組の“1.2.3.4"の掛け声の後、Under Pressuer
まるで掛け声なしには始まらないといったタイミングの良さに、 彼等はもしかして全てのロジャーのライブを観てまわってるんじゃないかなと思った。 だって彼等達の掛け声と合いの手は絶妙で見事なタイミングなんだもん。
(ロイヤル・ファミリーって、こういうの皆で集まって練習したりするのかな?)
Under PressuerでのTreana Morrisはここでも上手かった。 レコードそのままに歌ってるけど、声がよく伸びる(響き渡る)。 それに彼女は実際近くで観るともっとも〜っと可愛い人です。

そしてそのまま、Lodon Town-C'mon Down
途中、ロジャーによるバック・バンドのメンバー紹介が始まる。この時にやっと、サイド・ギターの人が前座でキーボードを弾いてた無愛想な人で、ビデオ「サイバーバーン」でメガネをかけてた人だと分かった。そのビデオでは髪も短かくてメガネかけてて全然見映えしなかったけど今回は緩いカーリー・ヘアに変身していてメガネをとったその瞳と顔立ちは超イイ男だった。全然愛想ないけど。
紹介が終ってロジャーがドラムを叩く。最後にスティックをステージに叩き付ける様にして観客の方に飛ばしてステージを降りた。(勿論、背の低い私はスティックは届かなかった)

すぐにアンコールで再登場して、I'm In Love With My Car
この曲、なんか聞き慣れてた様でもこうして聴くとやっぱり新鮮に感じた。 私はこの曲の途中に入る(フレディが歌う部分)“Oh、Yeah〜”を、大きな声で歌った。

ライブでは初めて聴いた、Tenement Funster
これには感激!でもフェード・アウトして終ったラストに、ちょっと寂しく感じた。 やっぱり続いてフレディのピアノ(Flick Of The Wrist)が欲しくなったからだ。それにロジャーの作品でもあり彼らしい曲なんだけど、こうやって聴くと、やっぱりQueenの曲なんだなぁ〜って強く感じた。

前列組の“1.2.3.4 !”の掛け声で盛り上がった、Strange Frontier
個人的にはビデオでの印象が強い曲ってだけで、あまり聴いてない曲なんだけど、前列組さん達は異常〜にノリまくっていた。

そしてアンコール2回目、Happiness?
すいません、私この曲はあまり・・と言うか(正直に言おう)一度しか聴いてません。 なので関心なかったと言うか静かに聴いておりましたです。ごめんなさい。

ラスト曲、Radio GaGa小人数でも会場の全員が同じように、 お手々パンパン♪するのは、Queenファンの万国共通ものって感じで、それだけでとても幸せな気分になりました。 周りの皆の腕よりかなり短い腕だけど、 一生懸命伸ばしました。最後の最後まで・・・。


Report & Photo by Sweet *(掲載している写真を無断で転載使用しないでください)
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1999年4月記載
2001年7月改訂