BRIAN MAY '98 日本公演
10日(中野サンプラザ)、11日(渋谷公会堂)のLIVEについて。
 すみませんが、 このページにはライブ・レポートもなければ、セット・リストの記録もありません。
10日、11日の公演についてのレポートや感想は他のサイトでもご覧頂けたと想いますが、 「K&K QUEEN FAN CLUB掲示板」には、興味深い投稿(本音)が多く、他とは違った盛り上がりをみせてました。 私たち二人も管理人として今回の賛否両論は貴重だと感じましたので、 それらの投稿文を記録してまとめてみました。
今回の「否」の意見はリアル・タイムのファンの方からでした。

結論からいうと、とても悲しい思いをしました。
ライブの内容については、さらさら文句をつける気持ちはありません。 ブライアンのギターは(ほぼ)完璧だったし、ニール、エリックを始めとするサポートのメンバーも 素晴らしい演奏をしてくれ、バンドとしても充実してたと思います。
しかし!!!何でクイーンの曲を全体の7割も演るの? 何故もっと自分のソロの曲を演らないの? (当り前の事ですが)もうクイーンというバンドは存在しません。 ブライアンでさえ、元メンバーというだけで、クイーンの四分の一にもなれないのです。(現在では) いくら自分が書いた曲であっても、あれらはクイーンのものなのです。 あれでは単なる懐メロ大会にすぎないじゃないですか!
あくまでも現役ギタリスト、ブライアン・メイのライブに行ったのに、 あれでは自分と中年ロッカー救済&オーディエンスのセンチメンタリズムを愛撫するだけの 馴れ合いの場ではないですか!
残念ですが、もう僕の中で「クイーン」は心の隅に封印しておきます。
ティーンエイジャーだった頃の私を感服無く叩きのめしてくれた素晴らしき4人の輝かしい日々に。 (恐らく多くの方から反感を買うと思いますが、敢えてこういう意見もあるんだという事を 知ってもらいたく、投稿させていただきました。)

この投稿は「セット・リストに対する (ソロの曲をもっと入れてほしかった)不満」と「Queenとブライアンは別である」という内容だと思います。
そのセット・リストの方に対しての意見が・・

リアルタイマーで、過去、 「QUEEN」のコンサートを観る事が出来た世代の人と、 決して「QUEEN」のコンサートを観る事が出来ない世代の人達というのは、 すでにブライアンのコンサートに求めているモノ自体が違うのでは?と思います。
しかし、ブライアンは世代や過去のコンサート観演歴を基準に観客を分けて 別々にライヴをやるわけにはいかないのですから、今回のセットリストは彼(ブライアン)が彼なりに、 観に来るであろう観客のニーズを想定し、その上で自らが「演りたい!!」と思う曲を リストアップした結果であろうと思います。 それが結果的に「クイーンの曲が70%」になっても、それが特に悪いとは思いません。
「クイーン」としてのコンサートを体験出来た世代(かろうじて私も含まれますが)は、 時に自分がいかに幸運であったかを忘れがちです。すでに世の中には「クイーン」を生で体験する事が 出来ない世代が多く、彼等こそがブライアンのコンサートに「クイーン」を求めている主な人々なのではないのでしょうか? ですから、センチメンタリズムというのは、在りし日の「クイーン」を体験した人々には 当てはまるかもしれませんが、それを体験できなかった(できない)人々には当てはまらないのでは?と思います。
個人的には、ブライアンだって本当はもっと自分のソロ中心でやりたいんじゃないのカナ? と思います。でも彼はインターネットで「やってほしい曲」を募ったりしているように、 自分の「役割」というのをわかっているのではないのでしょうか? 彼は彼個人で自らの名声を成したわけではなく、「クイーン」のメンバーとして名を成した事を 十分理解していると思います。 ゆえに今でも「クイーンのブライアン・メイ」である事を大事にした結果が 「クイーンの曲が70%」という今回のセットリストなのだと思います。
個人の名声より、「クイーンの栄光」を今の世代に伝える事が、 現在50代の彼を動かしている原動力のように思えてなりません。

この投稿で、今回のセット・リストは ブライアンが「ネットでアンケートまでとって決めた曲目」だと分かり、 別にセンチメンタリズムを愛撫したかった訳でもなく、 ファン側の気持ちを汲んでくれた結果なのだということが分かりました。 彼は(Queenの)過去の栄光を引きずった訳ではないと理解したいです。
それから「Queenとブライアンは別」という意見に対しては、その通りだと思います。 ただ、「クイーンの4分の1にもなれない」とは思いません。 現在でも、もし4人が揃ったら、それは「Queen」だと言えると思うから、 フレディでさえ、ソロになるとQueenとは違う。 それは、ファンよりも誰よりもデビュー以来、一度もメンバー・チェンジをしなかった 彼等こそが、一番良く分ってる事だと思います。
そして少し内容は違いますが同じくリアル・タイムのファンの「否」の意見です。

私は中野サンプラザの方にいったのですが、 じつは、私もLIVEを楽しめなかった者の一人です。 その点では、前に書込みされた方と同じですが、理由は違います。 今現在、その原因をまとめかねているのですが・・(ちょっと混乱してます)
部分的にピックアップしていくと、まず出だしで、がくっときました。
オープニングで最高にもりあがってみんなが期待して待ってるのに、 あのアナウンスはないだろう!あの紹介は! 俺ははるばる東京に漫才を観にきたんでは、ない!
そのあとBRIANが歌っていたのであろうが、ほとんどの人がそれに気付かず、 (その証拠に会場は静まりかえっていた)あの演出は他でもやってるのだろうが、 ここ、わたしが観た中野では、マイナスだった気がします。 前の観客のかたは、わかってたようですが・・・。
それと本当に、本当に会場盛りあがってましたか? それとも私の座った位置が問題なのでしょうか。一緒に歌うところなど声が小さかった。 (わたしは、ちょうどPAの後ろでした)最後の方で出てきましたが。
あとアンコールが終わった際の観客のあっけない退場。 これが、ものがたっているんじゃないんですか? 渋谷を例に取ると、もしかしてまだ聞けたかもしれないのに。演奏中、後ろから見ていても、 あー本当に乗りに乗ってるなという人は、ごくわずかだった気がします。
今の時点で私なりにまとめてみますと、やはり、わたしの求めていたものと、現実とのずれがベースにあると思います。 QUEENの曲だが、QUEENではない。"SHOW MUST GO ON"の曲のときには、 なんでフレディーがいないんだろうという気持ちが表に出てきて、演奏を楽しむというよりつらくなる。
会場を後にして、ホテルに戻る間、心の中に、ふと、浮かんだ言葉は 「夕日はどんなに輝いても、夕日なのか?」でした。

この投稿での最後の言葉は、とてもよく理解できるだけに 痛感させられました。
実は、それまで楽しんで歌って騒いでた自分は「手をとりあって」だけは 歌えませんでした。何故か?・・
多分、フレディが歌っていたクイーンの曲をブライアンが歌う事に対して、 心のどこかで、区別していたのだと思います。 だから、同じQueenの曲でも、ヴォーカルがブライアンの曲であれば「Sail Away Sweet Sister」なんかは、 とても嬉しいのに、フレディのヴォーカルをブライアンが歌う事には、すごく抵抗があります。 ただ、「Show Must Go On」に関しては、Queenで演ってない曲なだけに、抵抗なく聴く事ができましたが。
それからライブを「求めて観る」という姿勢に対して、若い世代の方からの意見です。

ブライアンにQUEENを求めることに関していえば、 求めていなかったと言ったらそれは嘘になります。 もちろん、彼の全てにQUEENを求めていたわけでもありません。 ただ、QUEENの曲をやってくれたら素直に嬉しい、というのが本音です。 材料がどうであれ、ブライアンコックさんの出してくれた料理を「おいしかった」と 食べているだけなのが私なのかもしれませんね☆

今回のライブで、リアル・タイムのファンの方は、 ブライアンに対して様々なものを求め過ぎた様な感じがします。 それに比べて、若い世代のファンの方は、与えられるものを純粋に楽しまれた様に感じました。
リアル・タイムで「Queen」を観てきたファンにとって、 (分かってて「ライブ」を楽しむ為に行ったファンは別として)、これらの事を充分に理解していたら、 多分、今回のライブには行かなかったのでは ? と想います。
そして、何も言わず、今回の「否」の意見を外側からご覧になりながら、 「うんうん」と頷いてた方も多からずいらっしゃったではないかな・・と 想像せずにはいられませんでした。


*敢えて、「否」の意見を投稿してくださった方、どうもありがとうございました。

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