今宵は節分

日本では毎年、節分の夜になると、かならずオウガがあらわれるという。そしてそのオウガこそ、“真実のオウガ・バトル”だと、一部地域で語られ続けている。

昔むかし、おじいちゃんが私によく話してくれた...

― ハーメルンの笛吹き男が笛を吹きながら通り過ぎていく
― テーブルの上のシチューは不味くて冷たくなっていく
― 黒いカラスもシチューには目もくれず飛び去っていく

これらはオウガがあらわれる前兆だと古くから唄われてきた。
しかし本当はどれも深い意味はない。
真実はすべて“節分の夜”にあるのだと...

さぁ、今宵は節分、“真実のオウガバトル”を見に行こう!!

Come tonight!!
Come to the ogre sight,
Come to ogre battle fight.

おっと、気を付けて!ここからはオウガに見つからないように身を屈めて! なぜならあの山は、警察ドラマでよくある取調室の様子を刑事が別室から観察する鏡と同じ、 「マジックミラー」でできているから。 つまり、オウガには君たちが全部見えている!

Keep a look out!




え・・?どこ?オウガはどこ?




こ・これが、オウガ?

華奢だな、大海を呑み込むようには見えないぞ




あ、もう一人いる!手の平をこっちに向けてるよ

手の平も驚異的な大きさどころか、至ってフツーだな




また出てきた!こいつも巨大な一つ目じゃないよ

こっちの様子を伺っているようだが、しぐさが可愛いな




うわぁ!
しまった!
囲まれた!

これがオウガの得意技と言われる、“背後から近づいて囲む”か!
こんな時は、東には行けない!そう、南へ逃げよう!

おい、何やってんだ?
豆をまいても無駄だ!!

というか、逆にオウガの奴等、喜んでいるじゃないか!
豆は逆効果だ、やめろ! 早く逃げるんだ!!




ハァ、ハァ、ハァ...




あ、オウガが帰っていくよ!

・・・あいつ、豆いっぱい拾ったんだな
とにかく、助かった~




しかし、オウガの好物が豆だったとは!!
だから、節分になると毎年あらわれるようになったのか




それにしても、これが、“永遠に続く”なんて・・・
おそるべし、節分。
ぃゃ、オウガ・バトル!




You can come along, you can come along,
Come to ogre battle.