K&K QFC

K&K 対談


7月はブライアンとロジャーの誕生月ってことで、この二人に関する話をしましょう。Sweetは自分よりも100倍もファン歴が長いので、僕からSweetへ質問する形式で進めていくよ。



100倍って・・ すごい長老みたいに言わないでよ。
まぁでも面白そうだね、オッケ~♪どっからでもかかってきて。



僕はグループとしてのクイーンが、もっと言えばクイーンの曲が好きなだけで、メンバーの外見も人柄も知らなかったら知らないでいい人なんだけど、Sweetはこのあたり、どうかな?曲と雑誌(写真)はどちらが先だった?僕はAMラジオで聴いた曲が先なんだ。



私も曲が先。セカンドのジャケットを姉から突然見せられて、メンバーが男か女かも分からないままサイドブラックをいきなり聞かされたのが最初。 その時に中ジャケの写真(サイドホワイト)の4人を見て、「顔は残念なバンドだな」と思った。でも曲に惚れたからファーストをすぐに買いに走った。そしたら裏ジャケの写真がセカンドとは大違いで嬉しい驚きだったよ。



クイーンファンになった頃からロジャーが好きだったんじゃないの?



違うよ。まだ2枚しかアルバムが出てなかった頃、クイーンは無名だったし情報も乏しかった。何も知らずにセカンドの『Some Day One Day』を聴いて初めて「ヨシ! クイーンを支えていこう」と決めたの。それがクイーンファンになった瞬間だった。だから、一番最初に好きになったのは、ブライアンのか細い声って事になる。





そうか。でも70年代のロジャーは本当にかっこいいよね。



ロジャーって単に「カッコイイ」のではなくて、「キュートでいてカッコイイ」。そういうタイプのドラマーって中々いない。しかも、歳を取ってもロジャーはやっぱり「キュートでカッコイイ」。ココ、とっても大事。



こんなに人気のあるバンドのドラマーなのに、特にテクニックとか話題にならずに活躍しているドラマーって他にいるかな?何で有名なんだろう?普通ならジョンと同等な扱いのはずなのに、明らかに知名度は上回っている気がする。



なんかさぁ、ロジャーファンとジョンファンにケンカ売ってるように聞こえるのは私の気のせい?・・・っと、それはメンバーのそれぞれの個性が関係していると思うけど、ロジャーの場合は、歌えるドラマーってのがポイント高いんじゃない?



そもそもロジャーのファンは、ロジャーの書く曲が好きなのかな?僕は初めて聞いた時から、曲も声もドラムの音も大好きだったけど、「きっと、みんなは気に入ってないだろうな」と思って聴いてた。70年代のロジャーの曲って、どれもちょっとヘンテコじゃない。



そんな風に思った事はなかったよ。ただ、ロジャーの曲で好きな曲って少ないけどね。でも初めて聴いた時からロジャーのドラムの音は大好きで、特にスネアの音は大好物だよ。



そろそろブライアンに話を移そう。今でこそクイーンのスポークスマンな感じだけど、昔からこんなに出たがりでよく喋る人だったの?確かに主張は強そうな印象はあったけど。



昔は、動くクイーン情報なんて皆無だった。その代わり、海賊盤をよく聴いてたの。その中でブライアンのMCが時々入っていて、その口調が英国紳士みたいで凄く好きだった。それに、話し方が昔も今も、とても丁寧だよね。その丁寧さを「マメ」と取るか「よく喋る」と取るかの違いなのかも。



ヒット曲も多いし、レスぺも何かと話題になるから、クイーンファンじゃなくても知られていた存在だったのかな?初期の頃、フレディと比べて人気や知名度はどうだった?



「キラー・クイーン」がヒットし始めた頃、“200年前の暖炉の木で作られた”というフレーズでブライアンのギターは有名になっていったし、初来日の前には、“ギターに100万円の保険をかけたらしい”って、まことしやかに噂されていた事もあって、クイーンファンじゃなくても話しのネタに使ってたんじゃないかな。あと、メンバー間の人気は、時代と共に推移してた。



そうか。ところで僕は、他の三人の曲を最終的にクイーンらしくまとめているのはブライアンじゃないかと思っているんだけど。ハーモニーとかオーケストレーションとか。曲のあるべき構成、全員の奏でる音が聞き手にどう鳴り響いているか、ブライアンが一番理解してそうな気がするんだ。Sweetはどう思う?



クイーンで好きな曲を挙げるとしたら、私はほとんどブライアン作になるけど、でもクイーンらしくまとめているのがブライアンだとはちょっと思えない。クイーンらしさって、メンバー4人の強い拘りがぶつかって起こる結果だと思ってるから。



でも実はフレディ以上にクイーンには欠かせない存在だったりして。フレディのボーカルが欠けるより、ブライアンのギターが欠ける方が、クイーン的で無くなる・・・違うかな?



それは、違う。



おっと、あっさり言うね。僕もホントは「ブライアン一人じゃダメ説」を唱えたい。クイーンでは、人の曲でもあんなに魅力的な演奏をするのに、極端にソロ作品がつまらなくない?演奏はともかく曲が。



そうそう!! クイーンって全員、ソロ作品になると、笑っちゃうくらい全然つまんないよね!不思議だわ~。



クイーンとは全く異なる世界を創るロジャーに比べると、フレディやブライアンのソロはいろいろなものが足りないクイーンみたいになってしまうよね。



その事をメンバー全員がよく知っていたからクイーンは解散しなかった。結局、クイーンは誰か一人のおかげでもないし、誰か一人を欠いてもダメだったってことだよ。



って上手くまとめたくなるでしょ。そう、クイーンは四人いないとダメなの。しかーし、にも関わらず今だに人気を継続しているところにロジャーとブライアンの凄さがあるわけよ!ここ大事!こんなバンド他にいないの!やっと本日伝えたいことにたどり着きました!



ロジャーとブライアンは、フレディもジョンもいてのクイーンであることを理解していながら、その二人がいないクイーンをやっているわけよ。元クイーンの二人ではなくて。大変なことだよね。しかも「二人がいないから、二人だけのクイーンやります!」ではなく、「二人はいないけど、四人のクイーン」を演じているわけ。説明難しいけど。



当初、2人でクイーンの看板を背負っていくなんて、凄く大変だろうなって感じていたよ。一時期ファンからは「クイーン名義を使うな!」なんて叩かれたりもしてたじゃない? 今じゃ「そんな事もあったね」って感じだけど。



とにかくロジャーとブライアン、二人とも頭がいいよ。ロック史上でも稀に見る存在、替えが利かない唯一無二のボーカルを失ったにも関わらず、ギタリストとドラマーの二人で、ある意味キャリアで絶頂とも言える人気を獲得したことは凄いことだよ。代わりのボーカルを入れて、クイーン色を打ち消して、新しい道を歩みます!なんてやってたら、ギタリストとドラマーだよ、今頃はクイーン共々、過去の人になっていたよ。本当に地に足が付いていて感心するよ。なぜ自分たちが、今こうしていられるかを理解しているんだな。





売れてナンボのショービズ。売れるかコケるかを見極める二人の才覚はホントにすごい。FiveやRobbie Williamsとの単発共演を経て、「Queen+Paul Rodgers」として、初めてツアーもやってアルバムまで出して、そしてオーディションで目を付けたAdam Lambertが期待以上に仕上がって、これまた予想をはるかに超えた映画の成功によって、クイーンは更に進化した!というか、モンスター化しちゃった気がする。



ジョージ&リンゴ(ビートルズ)、キース&チャーリー(ストーンズ)だって無理だと思うよ。ペイジ&ボンゾ(ツェッペリン)、サマーズ&コープランド(ポリス)であれば、異なるボーカルを迎えても音楽的にはわくわくするけど商業的には難しいよね。その点、ロジャーがテクニック志向で無かったことは幸いだな。二人でテクニック主体のインスト・バンドを結成なんて想像できないよね。



うん、想像できないというか、あり得ないね。それより、ペイジ&ボンゾ、サマーズ&コープランドって、ちょっと聴いてみたいな。でも多分どれも一度聴けば満足してしまうんだろうけど。



ボーカルに誰を迎えようとも、新バンド結成ではなく、クイーン+ってして、クイーンは四人のまま何も変わらないよっていう姿勢だから、ファンも声が違う、音が違う、認める、認めない、とかうるさく言わないんだよね。



いや、少なくともファンは最初から諸手を挙げて受け入れたわけじゃないと思う。昔、スポニチが「クイーン再結成!」なんて記事を一面に堂々と載せた事があったじゃない? あの時、ファンは大騒ぎだったよね。 それに、「Queen+」というワードに嫌悪感を持つファンは少なくなかった。でも、いつのまにか「Queen+」はジワジワと浸透していった。それは、ブライアンとロジャーが地道に活動を続けてきたから。 ファンはそれをずっと見守ってきたから、良い意味での「仕方ないよね」という気持ちが含まれるようになった。だから、うるさくは言わないだけだと、私は、そう解釈してる。




ファンはステージにフレディとジョンがいないにも関わらず、心の中では二人も一緒にいる、今もクイーンは四人なんだと思って聞いている。「完璧でないことは分かっているけど、足りない部分は、各自が心の中で補ってね」って。泣けてくるねぇ。



もはや「Queen」と「Queen+」は別物として楽しんで観てる人は少なくないと思うよ。それに今では、「Queen+」しか知らないクイーンファンが多くなって、足りないとか、補うって事もないんじゃないかな。



じゃ、Sweetは、かつてのロジャーとブライアンの美少年イメージを、心の中で補ってあげてね。



それは言われるまでもないよ(笑)。この先、ブライアンとロジャーがいくつになろうとも、ステージの二人はいつも貴公子時代の姿と重ねて見ることが出来る。
そしてお約束のフレーズを叫ぶのよ・・・
「 きゃぁ~~~♪ロジャー!!!」 ってね。



では、また次回。

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