風の吹き荒れる
テニスコート


太陽の光が眩しい。
やっと外に出れた・・・そう思った瞬間、一人の男が貴方の前に現われた!

“やっと来てくれたね。一人で退屈だったんだ。わー、薔薇じゃないか!”

男がそう話しかけてきたので、貴方は薔薇を彼に差し出した。

“もらっていいのかい。うれしいな。薔薇は大好きな花なんだ!”

貴方は尋ねた、

“キミは一人かい?”

男はこう答えた、

“最初はこの屋敷に三人で来たんだけどね。二人はビリヤードに夢中になっちゃって。 僕は外でテニスしている方が好きなんだ。一緒にやろうよ!”

運がいい男のようだ。一人で行動したおかげで、こうして外に出れたのだから・・・

“でも、ものスゴイ風だよ。こんなに強い風じゃテニスは無理だよ。”

貴方がそういうと男はこう続けた・・・



“気にしない、気にしない。たいしたことじゃないのさ”

“風がどっちに向かって吹こうとね”

貴方はテニスで気持ちの良い汗をかくと、この男とリッヂ・ファームへ戻ることにした。

帰る途中、夜風が二人を襲った。

貴方は思い出した。後方にドッシリと身構える館の玄関ホールで賢者が語ったあの言葉を。

“じきにお前たち自身によって招かれた
身も凍る夜風が地上を襲う!”

この風がそうなのか、それとも今までの体験がその夜風だったのか・・・貴方には分からなかった。

隣を歩く男が話しかけてきた。

“風を気にしているの? さっきも言ったろ。たいしたことじゃないよ。本当さ!”

その瞬間、男の前歯がギラリと光るのを貴方は見逃さなかった。

リッヂ・ファームまでの道のりはまだ遠い・・・

END

お疲れ様でした!


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