Sweet & Fairy の“チープなQUEENムービーを探せ!”

初めて見たときはメチャクチャかっこいいと思ってたあの映像も、今見るとちょっとチープ !?
クイーンももちろん例外ではないですね。でもそのチープさがたまらなく好き!

というわけで、費用ではなく、作りにチープ感あふれるビデオ・クリックを選んでみました。

「Bicycle Race」

ピーターパンに、フランケンシュタインに、スーパーマン・・・いろいろ登場してくるけど、その登場の仕方がとってもチープ。 “ハーイ、私がジョン・ウェインで〜す!”と言って横からスライドしてくるなんて今では考えられません。

「Crazy Little Thing Called Love」

この時代によくある踊り。それがそのままチープ。肩を揺すりながら前に進んでくるシーンはなぜか笑えます。 また床の穴から手が出てハンドクラップするシーン。裏方の人の姿を想像したくなるのもチープな証拠!フレディの目が赤く光るのも安さ爆発!

「Play The Game」

チープ映像の代表格。オープニングのマイクが飛んでくるシーンは、ローカルTV局の電気屋さんのCMみたい。 他にも、バックの炎、テープの逆戻し、ギターの取り合い・・・何はともわれこんなにクイーンがチープなバンドに見えたことはありません。

「Radio Ga Ga」

映画「メトロポリス」の映像を使った見事な映像だとは思いますが、コーラス部分で4人が着る衣装がチープ。 まるで“○○隊参上!”といった感じの服。やはり4人はSFやアニメーションが好きなのでしょうか・・・。 他にも、フレディが回す時計みたいな物体や、壁をギザギザの断片で割るシーンなど、見事さとチープさが同居したビデオです。

「I Want To Break Free」

フレディが細なっが〜いラッパ(パイプ?)を加えて登場するシーン。 あの箱の開き方が妙にチープ・・・隠れ方といい、まるで『欽ちゃんの仮装大賞』みたいです。

「Breakthru」

“Now!”で電車が突き破るシーン。こなごなに砕けたブロックの断片が白い! まさに発泡スチロールです、と言わんばかりの作りです。



 こうして見ると、ディスコ・ブームと呼ばれた70年代後半からポップス全盛の80年代前半の作品が多いことに気づきます。
 この時代は映像技術が大きく進化してゆくまさにスタートの時代であり、MTVの存在が大きく注目される頃で、安っぽく見られるのは何もクイーンに限ったことじゃないでしょう。
 プロモーション・ビデオが売り上げに大きく影響を及ぼす時代に突入した途端に、クイーンの人気も低迷期に入りました。 「Bohemian Rhapsody」という画期的な映像をロック界に登場させたクイーンが、“聴くよりも見る”時代に突入した時に「Radio Ga Ga」でラジオを称えたのは、注目すべき事です。 (もちろんそう言いつつも、クイーンはその後の映像も凝りに凝りましたが・・・)
 
 この時代に大きく注目されたアーティストが次々と消えてゆく中、最終的にクイーンが生き残ったのは、 何よりも“耳と心で感動出来る素晴らしい音楽”を創りつづけたということではないでしょうか。

見て素晴らしいアーティストだけではなく、
聴いて素晴らしいアーティスト・・・

それがクイーン