第一章
LP盤とCD
CD化されていったのが何年からなのかハッキリしたことは知らないけど、
1985年のフレディのソロ・アルバムまでは、それまで通りLP盤で買った。でもその時レコードが並べてある隣のコーナーに
見慣れないものがあった。“なんだ、このちっこいプラスチックケースは・・”これが、初めてCDを見た時の感想。
LP盤の一番の魅力は?と言うと、自分にとってはジャケットだ。それも見開きタイプのやつ。
その見開きタイプのLP=アルバムという概念がいまだに強く、そのせいかCDを指して、つい“LP”と言ってしまったりすることがある。
でも、LPジャケットの写真がCDになると、ただのコピー紙だし、帯は栞みたい。それにLPでは折り目を付けないように気遣ってた
ライナー・ノーツも最初から奇麗に4つ折になってて、なんか変な感じした。
大きい方がいいというわけじゃないけど、でもその時って、たとえば、いつもおやつに大きなケーキを食べていて、いきなり
“味は前より良い材料使って作ったからすごく美味しいのよ、それに食べやすいサイズにしたの”と言われて
小さいケーキを出されたような感じがしていた。
CDを初めて聴いたのはレンタルCDだった。安く聴ける事にまず満足した。曲の頭出しが手間いらずだ。
ランダムに聴けるってのも面白い。CDはなんて便利なんだろうと思った。
LPではランダムに聴くなんてことは考えもしなかった。正直、A面からB面に盤をひっくり返すのが面倒に感じた事は何度もある。
それで片面ばっかり何度も繰り返し聴いたりしてた。好きな曲だけ聴こうとして、たまに手が滑って盤の上に思いっきり針を落としたことも
何度もある。だから傷もすごいし埃もすごい。
最も古いLPのジャケットはカビっぽく変質もしてる。そして独特のニオイもする。だけど私はそのニオイはちょっと好きだ。
現在、音楽を楽しむのはほとんどCD。LPで聴くこともたまにあるけど、とにかく埃の音がすごいので、
LPでは曲を楽しむと同時に懐かしさも味わえる。
私は多分これからもCDの方を購入していくと思う。でもこれが中古となった時は何故か逆転する。
中古CDを買うくらいなら中古LPを買いたいと思っている。・・・矛盾してるかなぁ?