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第十章   国歌になったクイーン

 当掲示板に寄せていただいた情報をきっかけにして先日購入したのが、 この「国歌になったクイーン」。原題は「Anthems & Complex Songs」。
これが論文だということに強く興味を抱いた。表紙のデザインも可愛いし。

 本が届いて表紙を開くと、著者と訳者の顔写真付きの略歴に目が留まった。 著者のルース・ドックレーさんって女性だったのね・・・てっきり男性だと思い込んでいた私はその聡明な感じの写真にしばし見入った。 同時に、今度は訳者の岡田奈知さんの写真に、前にどこかで見たことがあるような 懐かしさを感じた。他人の空似なのか思い出せなかったけど。
そしてこの本はページ数が少なくて薄い。横書きになっていて、まるで教科書みたい。 1.2時間もあればすぐに読み終えてしまうなと思いながらページを捲った。

 スタジアムなどで観客が国歌のように皆で大合唱する曲を「アンセム」として、 クイーンの曲を検証していく内容は、楽譜や図を用いて論理的に書かれているため、とてもわかりやすくて、充分納得できた。 また、この本のいろいろな場面で現れる重要なキーワードは"we"である。 その言葉を歌いやすいサビに乗せることで、彼らの表現活動の大きな部分を占める「ライブ」における観客との一体感をもたせる重要な役割を果たしていることが 再確認できた。
また、それとは対照的に、皆で歌うには難しいとされる曲を「コンプレックスソング」として、表を用いて詳しく分析している。 それらは最初に興味を抱いたとおり、この本が論文であることから、"なるほど!"と思う事が多かったし、フレディの声域の広さを改めて認識することもできた。
それから、訳者あとがきでは、訳者のクイーンに対する熱い想いをストレートに感じさせてくれ、これが原動力となって、一論文を出版するに至ったことがよくわかった。

 この本を読み終えたのは約2時間後。全80ページほどにしては遅すぎるくらいだ。 しかしこれが単に、クイーンのバイオグラフィやグッズ紹介、関係者による暴露的内容だったとしたら、 2時間もかからなかったと思う。つまり、立ち読みで済ませていただろう。 価値観は人それぞれだけれど、この本は私にとってお金を出して買う価値のあるものだった。

 この本の中で著者が取り上げていないクイーンの曲を聞きながら、 著者が分析した「アンセム」や「コンプレックスソング」の特性に当てはめていくのも、また面白いだろうなと思う。お薦めの一冊です!
(thanks to Ms.Nayuta!)

updated : June 2006

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