K&K対談





なにこのテーマ?




その後に続く言葉は、“それが問題だ!”よ。




まさかシェイクスピア・・・分かった、マイケル・ジャクソン!




ブー!! 正解は、セカンドアルバムよ。




な~んだ、オセロゲームかと思ったよ。







私ね、セカンドアルバムは、SIDE BLACKが先派なのよ。




先派も何もないだろう。オセロゲームは黒が先攻ってはじめから決まってるよ。




だから、オセロゲームじゃないっつーの!そうじゃなくて、セカンドアルバムは、CDになってから強制的に、SIDE WHITEから聴かされるじゃない?あれ、おかしいと思うのよ。だれが決めたのよ?




そりゃクイーンでしょ。レコードだって、みんな WHITEから聴いてるでしょ。




はぁ?・・なんで? だって、どこにも「SIDE1」とか「SIDE2」なんて表記されてないじゃん。という事はセカンドに順番はないってことよ。・・・Fairy、どっちよ?




っていうか、その発想自体がかなり斬新!BLACKから聴くなんて、考えてみたこともなかったよ。






え? うそ、そうなの?でもジャケット見て変だと思わなかった?ジャケットの表はBLACKだよ。だったら、そのBLACKが先だと思うのがフツーでしょ?




その解釈も独自だね。




独自かぁ・・・。まぁ、考えて見れば、初めて出会ったのが「セカンドアルバム」で、初めて聴いたのが「サイドブラック」だったから、 そんな自分は、卵から孵った時に初めて見た白鳥を、ママだと思い込んでしまったアヒルと同じ感覚かもね。しかし、もしセカンドの表紙が白だったら・・・




黒で正解だったと思うよ。WHITEは一歩間違えればエンジェル(バンド)みたいだ。BLACKはインパクトがあり、ロック史に残るジャケットになったね。




うん!! セカンドは昔から、“ジャケ買い”されるほどの魅力を持っていたし、実際、それで姉が買ってきたから、私はクイーンと出会う事が出来た。そしてその時に初めて聴いたSIDE BLACKもインパクト強かった。




始まりが「Ogre Battle」だからね。でもB面にひっくり返した時に来るからより効果的なんだと思うよ。「Sheer Heart Attack」も「Innuendo」も同じこと。




“B面”という言い方も含めて、普通はそう思うんだろうね。でも私は、セカンドのレコードだけは、“盤をひっくり返して聴く”って事はなかったよ。






当時、ターンテーブルには、ずっとSIDE BLACKが上を向いていて、いつもそれだけで、十分だったの。しばらく経った頃から、SIDE WHITEが上を向いている日もあったけど、針を落とすのはいつも4番目。




なるほど。もしかしてSweetは、SIDE WHITEがあまり好きじゃないとか?




ぇ?・・・




図星のようだね。顔に出てるよ。




ん~、じゃ、ぶっちゃけ言わせてもらうけど、まず、「Procession」は最後のピコピコ音がちょっと嫌だったし、「Father To Son」は最初こそ良いけど、間奏が長すぎて退屈になるし、「White Queen」は曲の良さが全然分からなかった。でもこれは中学1年生(12歳)の時の感想ね。




へぇ、でも「Procession」なくしてセカンドの感動はないよ。まさに幕開けって感じ。ちなみにWHITEで一番好きなのは昔から「White Queen」で、今も変わらず苦手なのが「Some Day One Day」だな。




SIDE WHITEの3曲は、大人になってから聴くようになって大好きになったよ。特に「White Queen」はライヴ盤を聴くようになって初めて、その素晴らしさを思い知った。中学1年の時の自分にはSIDE BLACKの方が面白く感じたんだと思う。Fairyは?




僕もBLACKの方が好きだけど、それは頭4曲だけ。クイーンの全アルバムの中で、最高の流れ・展開だね。でもWHITE同様、後ろの2曲が苦手だな。特に「Seven Seas of Rhye」は未だに好きになれない。1stのインストバージョンだったら良かったのにな。いずれにせよWHITEがあるからこそ、よりBLACKにドラマ性を感じるよ。




ふぅ~ん。でも私には、WHITEはお寿司屋さんで、BLACKはステーキ屋さんなのよ。つまり、SIDE WHITEとSIDE BLACKは別々に聴いた方が、その日の気分にマッチしやすいって事。 まぁ、とにかく今ではプレイリストで好きなように楽しめるから、別に構わないけどね。




セカンド好きはロマンチスト?



SIDE BLACKを聴くとさ、歌詞とか聞こえてくる音でストーリーが膨らんでいって、創作ダンスまで出来ちゃうのよ。どんなのか知りたい?




いや、遠慮しとくよ・・




あのね、中学の時の体育の授業でね、創作ダンスがあったの。6人編成でやるんだけど、それぞれの動きと振り付けも全部考えて「Ogre Battle」の曲を丸ごと使って発表したら、先生に最高得点をもらったんだよ~!




そりゃよかったね。僕は同じことを「Don't Try Suicide」でやったけど。West Side Story風な演出でね。指パッチン・・・




あの時、持ち時間が許せば、「Black Queen」にしたかったんだけどねぇ~




おーぃ、人の話を聞いてますかー?





SIDE WHITEと言えば、1999年にFairyが「White Queen」の曲に合わせて、独自のストーリーで映像作品を作ったじゃない?あれ、めちゃくちゃ評判良くて、当時は私もかなり刺激を受けたよ。




懐かしいね。あれにはかなりの反響をいただいたよ。操作はユーザーまかせのアナログだったけど。ちなみにモノクロにしたのは、セカンドだからっていうより、歴史を舞台にした戦前のハリウッド映画風にしたかったから。




いっそ、あのストーリーで映画『White Queen』やってほしいくらいよ。噂されている『ボヘミアン・ラプソディ2』より魅力的だわ~。




今晩BSで放映する「ハイランダー」の5だか6みたいな扱いになって終わるのがオチだよ。




いいじゃない、「ハイランダー」は大好きよ! 録画しとこ。ところでさ、“セカンド好きがロマンチスト”だとしたら、“セカンド嫌いはリアリスト”と言えるかもね。だってセカンドアルバムは音がこもっていて、よく聴きとれない部分が多いらしいから。




それはスタジオの空気っていうやつじゃない。70年代は、偶然に拾われる音があったり、スタジオ内の空間・距離感を感じることができた。音と音の境目も曖昧なのもいい。




それ、言えてる!! ファーストの「Great King Rat」の最初の音とかも、まさにそれよね! スタジオの空気を感じられるなんてゾクゾクするわ~。それにしても“音と音の境目も曖昧なのもいい”なんて、Fairyはロマンチストね♪




でもセカンドだけがこもっているとしたら、録音の仕方なのかもね。




あら、急に現実に引き戻された感じ。だけど私は今でもSIDE BLACKを聴くと、中学1年生の時に空想したシーンが頭に浮かんでくる。でも不思議と懐かしい感じはしないの。古びてないのよ。あれからもうすぐ50年経とうとしているのにね・・・




ロマンチストと言うべきか、リアリストと言うべきか、




それは、問題じゃな~~~い!!



では、また次回。

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