K&K QUEEN FAN CLUB

名月と名曲

9月に入ってもまだ残暑は続くようですが、空を見上げると秋の雲を見かけるようになりました。 そして秋の夜空と言えば、「十五夜」。またの名を「中秋の名月」です。 ご存じのように「月」はその時々の姿によって、風情のある名前がつけられています。
では、クイーン曲の中で歌詞に「月」が入っている曲は、どのくらいあるでしょうか?今回は、 それをちょっと調べてみました。秋の夜長です、最後までお付き合いくださいね。



名月と名曲 その❶

The fairy folk have gathered round the new-moon shine

引用:The Fairy Feller's Master-Stroke

new-moonは「朔(さく)」または「新月(しんげつ)」の事。
「新月」は地球から見て太陽と月が同じ方向にあるので、月が見えない状態です。当然、月明りもありません。 もしかしたら、妖精は人間には見えないところに潜んでいるから、新月の輝きも人間には見えていないだけ、かもしれません。



名月と名曲 その❷

O lady moon, shine down a little people magic if you will

引用:Brighton Rock

lady moonは月の女神の事。
ギリシャ神話の月の女神であるアルテミスは光をもたらす存在とされていて、そのシンボルマークは「三日月(みかづき)」です。 でも、この曲は月が輝く夜ではなく、陽射しで海が輝く昼下がりのイメージが強いので、雰囲気がガラリと変わるギター・ソロの間だけ、月の女神が似合いそうです。 ちょっと長いけどね。



名月と名曲 その❸

A thin moon me in a smoke-screen sky

引用:Now I’m Here

thin moonは、細い月の事。
細い月は別名「繊月(せんげつ)」と呼ばれていますが、その月は、“煙幕のような空に浮かぶように見える”と歌われているので、 霧や靄に包まれて、ほのかにかすんで見える月、別名「おぼろ月」かもしれません。初期のステージでもこの曲の演奏時にはドライアイスの煙がモクモクでしたね。



名月と名曲 その❹

I dreamed I saw on a moonlit stair

引用:The Prophet's Song

曲の始まりから神秘的なイメージが広がります。
moonlit stairを想像すると、その月光は矢のように差しこんで階段の上の男を照らしている、そんな情景が頭に浮かびます。 そして、このシーンは夢なので、すべてが白黒だけど、その月だけは灰色の中で青白く輝く、「青月(せいげつ)」が似合いそうです。



名月と名曲 その❺

Underneath the moonlight...(shine on silvery moonlight)

引用:Seaside Rendezvous

この曲のmoonlightはとてもロマンチック。
海辺でデートするなら、場所は南フランスのコートダジュールでしょうか。ニースやカンヌ、モナコとか...(行った事ないけどねぇ)。 そしてこの時の月は、海面よりずっと高い位置にあって、銀色に輝く小さな満月でしょう。



名月と名曲 その❻

Stare at the moon all day

引用:Long Away

この曲のmoonは晩秋から冬に見られる「冬月(とうげつ)」のように感じます。
冬月は高度が高く、月影は冴え冴えとしています。 そんな綺麗な月であっても、落ち込んだ気分の時に眺めていると、無情に感じてしまって、淋しく思えたりする時ってありますよね。



名月と名曲 その❼

We’ll go walking in the moonlight

引用:You And I

この歌詞からは「月」の情景はほとんど伝わってきません。「月明りの下を歩こうよ♪」と言いながら、お月さまなんて、ちっとも見てなさそう。 なんとなく、このmoonlightには、ちょっと邪なものを感じます。でも、曲はラブラブで楽しくなってきますけどね。



名月と名曲 その❽

The Same Moon shines

引用:Teo Torriatte (Let Us Cling Together)

クイーン来日後、「行かないでぇ」「帰らないでぇ」と悲しむファンの為に「遠く離れていても眺めている月は同じだよ」と歌にしてくれたブライアン。 この一節によって、見上げる月も一層愛おしく感じるようになったファンも少なくなかったかも。



名月と名曲 その❾

There was a full moon showing

引用:Party

なんという事でしょう!! サイドブラック2曲目では「new-moon shine」と歌い、この曲では「full moon showing」と歌っています。 「新月」から始まって「満月」で終わる・・・ま、偶然ですけどね。
それにしても、この曲を含むアルバム「The Miracle」は意外と秋の夜に合います♪



ということで、全部で9曲ありました。
意外と少なかったかな?もしかしたら見逃した曲があるかもしれませんが、この結果を見ると、 さすが天文学者だけあって、「月」を歌詞に入れた曲が一番多かったのはブライアンでした。

さて、2023年の十五夜(中秋の名月)は、9月29日(金曜日)です。
「中秋の名月」を眺めながら「クイーンの名曲」を聴いてみてはいかがでしょう。