初めてプリザーブドフラワーを箱から取り出す。
手触りは生花と全く同じなので、取り扱いに細心の注意を払う。
とても綺麗だ。しばし見惚れて、手順に従って下準備からスタートした。
まずはバラの花びらの根元に針金を左右から通して、
その針金を茎に巻きつけなければならない。
この作業を全部のバラに施していったのだが、作業していて、ふと思った。
プリザーブドフラワーは美しい瞬間のまま命を止められてしまったんだなと。
そして、変な話だけど、針金をバラの根元に突き刺すという行為が
もの凄く残酷な感じがして、心が痛んだ。
花の命は短いけれど、自然にまかせて枯れていくのが一番良い。
それは人間にも同じことが言えると思う。
朽ちていく姿が醜いのではなく、
朽ちるのを恐れる事こそ醜態なのであって自然には逆らえないもの。
自然に逆らったプリザーブドフラワーのその美しさは、とても痛々しくて、針金を通す手が時々震えてしまった。
プリザーブドフラワーって、美しくて切ない花だなと思う。
さて、そんなプリザの花を無駄にするワケにはいかない。下準備を終えたら次はいよいよホルダーに花を挿していく。
ここでは、配色や形のバランスをうまくとっていかないといけない。
ここで最も必要なのはセンスだと思う。
ドキドキしながらも度胸をつけて、一本一本慎重にホルダーに挿していった。
私が作りたかったのは、ラウンドブーケという丸い形だったが、
子カバが、「少し下に垂れているセミキャスケードタイプがいいな」と言い出し、
急遽、余っていた材料をかき集めて完成させた。
続けて、新郎用のブートニアも同じ白とピンクのバラを二本使って作成。
ブーケとブートニアの制作時間は6時間ほどで完成した。
そしてその日、最後に取り掛かったのが髪飾り。
髪飾りも市販で買うととても高い。
作成前に参考までにと、大手スーパーでそれらを覗いてみたら、
大したものでなくても、5000円くらいの値段が付けられていた。
髪留めピンに造花がペーパーテープで巻きつけられているだけなのに
・・・これなら私にも出来そう。
さて、その日、ブリザーブドフラワーの大・中・小のバラを使用して、
アレンジしやすいように、5種類に分けて作成した。
この髪飾りは、実は和装用で、和装といっても白無垢や色内掛けではなく、
子カバが選んだのは、「オーガンジー和装」というやつ。
それは、白無垢の代わりにオーガンジー(内掛け)を羽織るのだが
見た目は和風だけど、ドレス生地のような軽い素材でできている。
重いかつらも使用せず、自分の髪を結い上げるので半洋風でもある。
そもそも子カバは身長が低いし小柄なので、大きなかつらが似合わなかった。
オーガンジー和装は身体が小さい子カバにとってはラクな和装だし、現代風とも言える。
ということで、バラに何か和風ぽいアレンジを加えたいなと考え、
そこで思いついたのが、祝儀袋に付いてる「水引き」だった。
結納のときに頂いた水引きが凄く綺麗で、袋共々とっておいたので、
それを自己流で加工して、バラに添えて完成させた。
このアイディアは自分でもとても気に入ったので、
叔母からいただいたご祝儀のそれも利用して長女(振袖)の髪飾りも作成した。
ちなみに、私は「黒留袖」なので、そんな髪飾りは不要だと言われた・・・ちぇっ☆
実は、この髪飾りを挙式前日の「ヘアー・リハーサル」の時に持参したのだけど、
実際にヘアーをセットして、これらを付ける際、
美容スタッフが花びらの方を手で持って、花びらごとガシガシ押し付けてやがった!
私は驚いて、「それプリザーブドフラワーですから!」って言ったのに、
髪飾りの位置確認を何度も繰り返し、その度にかなり乱暴に扱われて、最後までヒヤヒヤさせられた。
まぁ、後でちゃんとその美容室のリーダーさんに苦情として釘をさしておいたけどね。
次はウェルカムボード
ここはイラストが得意な長女の出番だ!早速、子カバと新郎の横顔写真をもとにして似顔絵をデッサンしてくれた。
これがまた、二人の特徴をよく捉えていて、そっくりに描いてあり、我が子ながら感心した。
イラストはその後、立体的に見えるようにデザインされて、最後に専用紙にプリントアウトして綺麗な額に入れた。
かかった費用は額代のみでした。