SIDE 1 |
1.
Radio Ga Ga |
■Words and Music by Roger Taylor |
この曲は、ロジャーの息子であるフェリックス君が三歳の時に、“ラジオ・カカ”と発した言葉をロジャーが
「ガガ」に変えてタイトルにしています。ちなみに、カカ="kaka"はフェリックス君がトイレでよく発する言葉であり、それはフランス語で、
"ウンチ"という意味です。多分、子育て中の人でなくても耳にした事があるんじゃないかと思いますが、3歳児がよくトイレで、
ちょっと自慢そうにしながら、“ママ〜、ウンチ出たよ〜♪”って言うのと同じようなもんですね(^^)勿論、フェリックス君の母親ドミニクは
フランス人です。・・・という事で、この曲はポップ感覚溢れるユニークなナンバーです。
サビではそれなりに盛り上がっているものの、それでもアクが弱い気がします。
全体的に平坦な印象を受けるので、極端にリズムが落ち込むとか、ドラムのパターンを一部分変化させるとか、もう一工夫欲しかったかなって・・・・・・
やっぱり私は“ちょっと凝り過ぎた”と言われるくらいのQUEENが好きみたいです。
まあ、流れるような美しさはありますけど。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 23 January 1984 △Highest Position on U.K. Chart : No.2
第1弾シングルでバンド名をカタログ・ナンバーに付けた初のシングルでもある。
7インチ・シングルはエディット・ヴァージョン。
【リミックス】 Extended Version | Instrumental Version
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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2.
Tear It Up |
■Words and Music by Brian May |
ブライアンらしい、と言うか、根っからハード・ロック好きなブライアンらしい曲です。
個人的には実際ライヴを観て受ける印象よりレコードで聴く印象の方が、よりハードな感じがします・・・でもライヴでも嫌いじゃないよ。
アルバム発売前にラジオで聴いたときから、今も変わらず大好な曲です。
ギターはもちろんですが、ドラムがまた最高なんです。
ドラムの音色で言いますと、初期の“ドコドコ・ボコボコ”に愛着を持っている私ですが、
ここで聴かれる“バシッ”と“タタタタタ”の音はこの曲に見事ハマっています。
また曲が後半に行くに連れ盛り上がるのは、コーラスによるところが大きいようにも思えます。
いつもならフレディが入れそうな“ウーウー・コーラス”を、ここではブライアンが一所懸命吹きこんでいます。
しかし極めつけは何と言っても“Yeah”と“Baby”の多用でしょう。この気合と挑発があるからこそ、聞き手は興奮させられるのです。
【シングル履歴】B4のシングルB面。
【ライヴ】 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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3.
It's A Hard Life |
■Words and Music by Freddie Mercury |
邦題は「永遠の誓い」。
メロディはこれまでと変わらず美しいけれど、いくつもの恋愛で成長したのか、フレディの恋愛に関する見方(歌詞)が
以前とガラリと変わった気がします。それにプラスして彼の容姿が変化していくのと同じ様に、こういう曲での歌い方も以前のそれとは変化してる様に
感じます。もう受け身の女じゃない・・って事。
「そうさ、それは愛のためにしたことなんだ」・・・う〜ん、“美”ですな。素晴らしい。
哀しい雰囲気に包まれているものの、決して自己否定的にならず、必ず立ち向かう姿があるのがフレディのラブソングのいいところです。
大好きな歌です。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 16 July 1984 △ Highest Position on U.K. Chart : No.6
アルバムからの第3弾シングル。
【リミックス】 Extended Version
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4.
Man On The Prowl |
■Words and Music by Freddie Mercury |
フレディはエルビス・プレスリーが大好きなんだろうけど私はあんまり好きじゃないし、
これだったらいっその事プレスリーの曲を聴いてた方がいいって感じ・・・
“もっと上手いレスペはどこいった〜!レスペだレスペだ、レスペ持ってこ〜いっ!”(レスペは酒じゃないって!)と言う事で、
これ1回きりにしといて欲しいと思った曲です。ライヴでは一度も演奏されていません。
これが音楽的ルーツだと言わんばかりの曲で、「Crazy Little Thing」に近いフィーリングを受けます。
しかし同じような曲でも、作られた経緯が違うような気がします。
「Crazy Little Thing」は思いつきの部分が多々あり、そのアイデアの面白さを優先させたが故に、同時にチャレンジ精神をも聞き手に伝えることに成功しました。
つまり失敗を恐れない思いきりがあったからこそ、ファンも評論家も支持したのではないでしょうか。
しかし、今回この曲が収録された意味合いは、前作『HOT SPACE』の反動のように思えて仕方ありません。
つまりこの曲から伝わってくるのは、“前回は冒険したけど、僕らの音楽って実はこういうタイプの曲が基本なんだ”というQUEENには珍しい守りの体制です。
既に「Crazy Little Thing」がヒットしたという前例がある以上、この曲は安全パイだったというわけです。
時にファンは安心感を与えてくれる曲を願うものの、やはりそれ以上にQUEENにはアッと驚かしてくれるのを期待しています。
これらのことは「Crazy Little Thing」とこの曲のどちらが良い悪いの話でありません(それは好みの問題ですから)。
“アーティストにとって創造するとは?”という話です。その点で、この曲はちょっと創造性に欠けるかなと思っただけです。嫌いなわけじゃないですよ。
【シングル履歴】
本作未収録曲で後に『GREATEST HITS V』に収録されるシングル
「Thank God It's Christmas」のB面
【リミックス】 Extended Remix
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SIDE 2 |
1.
Machines (or 'Back To Humans') |
■Words and Music by Brian May and Roger Taylor |
個人的に、このアルバムの中での最高作品です。B面1発目に相応しいし展開も面白いし、
盛り上がり方が実にカッコいい!♪Not for money,not for gold..♪から続いていくところなんて最高です!
ブライアンとロジャーって、いつも競い合ってて、勿論それはケンカにもなるけど、その分張り合って良いものが出来ちゃうんじゃないかな。
二人とも絶対妥協しないだろうし(笑)それから当時、この二人はかなり険悪なムードだったと言われてましたが、この曲の他にも
『Thank God It's Christmas』をこの時期に、二人で作っています。で、この曲のバッキング・トラックがコンサートのオープニングに、
それまでの『Flash's Theme』の最初の部分に代って使われる様になりましたが、何故か全てを演奏する事は一度もありませんでした。
このアルバムで最も野心的かつ冒険心に飛んだ作品だと思います。
シンセやヴォーカルの処理方法が、機械的世界を表現するのにとても効果的で、多用しているにも関わらず全くうるさく感じません。
またブライアンのギターも素晴らしく、同じ動作を秒刻みで繰り返す、まさに人間の感情を一切排したかのようなマシーンを想像させます。
生ドラムの導入部分もカッコいいです。ライヴで是非見てみたかった一曲ですね。
【シングル履歴】B2のシングルB面。
【リミックス】 Instrumental Version
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2.
I Want To Break Free |
■Words and Music by John Deacon |
邦題は「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」。
この曲のプロモ・ビデオでは、イギリスのテレビ番組を真似した女装にメンバー全員が紛してますが、それと同様にユニークで
ポップ感覚溢れる曲です。がしかし、この曲は南アフリカの人々にとっては全く逆で、アパルトヘイトや独裁政治に反対するものとして
認められていました。なので、その女装は不謹慎極まりないと批判されました。国によって、人々によって、歌の解釈が違うのは当然ですが、
この曲はいろんな面で物議を醸し出す結果となった曲でもあります。単にポップナンバーとして楽しく聴いてた自分もこの話には驚きましたが、
一番驚いたのはジョンかも知れませんね。
バックに流れるリズム、間奏部分、どこをとってもあまりパッとしません。
時には(音的に)軽さも必要でしょうが、ここでは単に軽いだけに聞こえてしまい面白みに欠けるのです。
ポップな曲はレコードの方が当然きれいに聞こえる分、その良さも伝わりやすいと思いますが、
この曲に関しては、ライヴの方がフレディのヴォーカルに荒っぽさが出る分、躍動感が感じられて私は好きです。
【シングル履歴】◎U.K. Release Date : 2 April 1984 △Highest Position on U.K. Chart : No.3
第2弾シングル。7インチ・シングルはイントロを多少長くリミックスして発売された。
【リミックス】 Extended Mix
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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3.
Keep Passing The Open Windows |
■Words and Music by Freddie Mercury |
邦題は「愛こそすべて」。
元はと言えば、ジョン・アーヴィング原作の映画『ホテル・ニュー・ハンプシャー』のために書かれた曲でタイトルは原作そのまま。
私はこの映画を観ていないのでなんとも言えませんが、その為に創られた曲としての雰囲気は冒頭から充分感じられます。
しかしこれ以上は映画を観てからでないと何とも言えません。ジョディ・フォスターが出ている映画となれば、Fairyはきっと買って持ってる事でしょうし(笑)
・・・観せてくれぇ〜!
とてもドラマティックな始まり方の後、まるで風を切って走る電車のように曲が進みます。
それは、後の「Breakthru」を思わせるベースライン、ギターの入れ方、そして何よりも曲展開が原因かと思います。
ただそういった意味では確かにカッコいい曲ではありますが、この曲がアルバムの中において平均的な出来ぐらい聞こえてこないと、
アルバム全体としては厳しいかなって思います。ちなみに映画はなかなかグッドです。
【シングル履歴】
本作未収録曲で後に『GREATEST HITS V』に収録されるシングル
「Thank God It's Christmas」のB面。
【リミックス】 Extended Remix
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4.
Hammer To Fall |
■Words and Music by Brian May |
あるじゃないか、こんなとこに上手い酒が!ぁっ違った最高のレスペが!(^^;って事で、個人的にこのアルバムの中で
一番好きな曲です。フレディのヴォーカルも迫力充分だし、これぞクイーンの18番!っと言うか、これぞクイーンの看板曲と言って良いかもしれません。
ちなみに、1998年のブライアンの来日ライヴでは、この曲をアコースティック・ギターで演奏しています。個人的に、
このアコギ・バージョンはネットを利用して聴いていたので、一応知ってはいたものの実際ライヴで耳にした時は再感動しました。
(そりゃもぅ、えっれぇ〜良い雰囲気に仕上げてあって、めっちゃ好きです)アルバムの方が、"迫力ヴァージョン"とするなら、
アコギでの曲は、"哀愁ヴァージョン"という感じがしました。
この曲がキンキンした幾分騒々しいロックに聞こえるのは、鋼のようなギターとドラムの音が原因でしょう。
個人的にはハードであっても、(QUEENに関しては)「Mother Down」のようにメタリックな感触が排除されたサウンドが好きです。
しかしこの曲はライヴでこそ本領発揮&パワー全開となる曲で、破壊力のあるロックであることに違いはありません。
そういった意味でもタイトルはピッタリです。またコーラスがいかにもQUEEN的です。
【シングル履歴】
◎U.K. Release Date : 10 September 1984 △Highest Position on U.K. Chart : No.13
第4弾シングル。7インチ・シングルはエディット・ヴァージョン。
【リミックス】 Headbangers Mix
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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5.
Is This The World We Created...? |
■Words and Music by Freddie Mercury and Brian May |
邦題は「悲しい世界」。
う〜ん、なんて美しいメロディ、そしてなんと哀しげなギターの音色。
毎日を忙しく過ごしていると、気が付かない事っていろいろあると想いますが、それが世界規模、
いや、地球規模の視点から疑問を投げかけて気付かせてくれるなんて、さすがフレディ&ブライアン。
とても感動的かつ哀しい曲であります。
フレディらしい詞ではありますが、この曲に関してはメンバー全員の思いと受け取っても、けっして間違いではないと思います。
歴史上の偉大な王(女王)は、常に弱き者の立場に立ったものです。最も短い傑作です!
【シングル履歴】A3のシングルB面。
【ライヴ】 『LIVE MAGIC』 | 『LIVE AT WEMBLEY '86』
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