肖像画の部屋
Room 007

 重い扉を開けて部屋に入ると(重い画像だろうが!)、すぐに右手に掲げられた男の肖像画が目に入った。 その絵の下には何やら詩らしきものが書かれている。

これは現実なのだろうか
それともただの空想か・・・
まるで地滑りに巻き込まれたように
この現実から逃れることは出来ない・・・

じっとその男の表情を見ていると、貴方に不安と恐怖が襲ってきた。

“この男を助けなくては!”

急ごう!そう思った貴方だったが、この部屋には前の部屋に戻るドアしかない。 どうすれば良いのだ!

“賢者よ、予言者よ、教えてくれ!”




貴方が、そう叫んだ途端、目の前に奇妙な生き物が現われた!二人いる!



“愚か者めが、奴は賢者なんかじゃない。狂人じゃ!”



そう男が叫ぶと、次のように話しつづけた。

“この家から逃れられた者などおらんのじゃよ。 とぅ・ばい・とぅー、まい・ひゅーまん・ずー! そう、二人、また二人と愚かな人間どもは、あの予言者の声を聞こうと、この家に集まってきた。 そしたら、どうだ。皆、わしらのように二人を合体させ一生離れられなくさせちまった。 わしらもこの部屋で、30年以上もこの格好で暮らしている。お前も愚か者じゃのう。 ただ、望みは一つだけある。お前さんが二人でなく一人で来たという事だ。 過去にも1度だけ、一人で来た男がいる。そいつだけは助かった・・・”

そう言って、彼が指を差したのは、額の中の絵であった。

“彼はまだ生きているのですか?”

そう尋ね、振り向いた時には、合体した二人の姿は消えていた。

貴方は、しばらく考え込んだ。そして絵に近寄り、その額に触れた瞬間・・・突然、絵が回転した。 そう、この絵は扉だったのだ!

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