愛すべきイジられキャラ

1976年、春
来日公演のアンコールでフレディが突如、ストリッパーを演じ始めた。
妖しく帯を解いてキモノを脱ぐと、紅白のホットパンツ姿だった。
それを観たファンの反応は、キャ~♪が2倍増しになっていた。

当時のファンはこの時のフレディを、出っ歯のストリッパー♪と呼んだ。 他にも、"出っ歯、すきっ歯、ストリッパー♪"と、韻を踏む呼び名もあった。

しかしそれらを本気で怒るファンはいなかった。
フレディに対して愛情と親しみを持っているのが大前提だったからだ。

もちろん、それはフレディだけではない。
クイーンは4人の個性が強すぎて、4人ともイジられキャラの要素を持っていた。
当時のファンは、その4人のキャラを使って漫画を描いたり笑い話にしてクイーンを愛した。

その中で一番イジる回数が多かったのがフレディであり、フレディもまた、もっとイジってくれと言わんばかりのパフォーマンスを展開していった。

1976年9月
エディンバラで開催されたコンサート模様を当時のミュージック・ライフ誌が写真満載で特集してくれた。

まさかの、全身白タイツ・・・。
裸足で紅白ホットパンツ姿が、至って普通!に思えた瞬間だった。

しかしフレディが凄いのは、その全身白タイツによって、すらりとした肢体をより美しく魅せていたことである。まるで「誰も真似できないだろ?」と言いたげに。

そんな高貴さと妖しさが入り混じって、益々変態に磨きがかかっていくフレディ。
そんなフレディがファンにとっては、堪らなく愛しく感じていた。



   

35年後

   


2011年1月、
突然テレビにフレディが登場した。日清カップ・ヌードルのCMである。
しかし、このCMを見た往年のファンが指摘した・・・

フレディの歯が綺麗すぎる!と。

オリジナルPVと比べてみたら、一目瞭然。
往年のファンには、"出っ歯、すきっ歯"こそ、愛すべきフレディ・マーキュリーなのである。



   

現在

   
  

亡くなってからというもの、フレディはどんどん神格化されていった。
しかしそれが「クイーン」というバンドが根強い人気を持ち続けている大きな要因となっている事は歪めない。映画『ボヘミアン・ラプソディ』によって、それは確固たるものになったように思う。

2025年11月
英国の王立造幣局からフレディの記念コインが発行された。

コインには、フレディのパフォーマンス中の姿がデザインされている。

間違っても、ストリッパーのキモノ姿ではない。



もぅ誰も、出っ歯のフレディ♪とは呼ばなくなった...