SIDE 1 |
1. It's A Beautiful Day |
■Words and Music by Queen |
“ホラ、天使が降りてきた”はビートルズの名曲。これは、“ホラ、天国からフレディが降りてきた”です。 朝6時半、ちょっと早起きしてスープの入ったカップを握り絞め、ロッジの扉を開け外に出る。 朝もやの中、目の前に広がる湖面は太陽の光が反射し、キラキラと美しく輝いている。 冬だけど今日は比較的暖かい。小鳥がさえずり、空気も美味しい・・・・・・生きている喜びを実感できる、そんな一日は素晴らしい。 |
2. Made In Heaven |
■Words and Music by Queen |
この曲はフレディのソロ・アルバム『Mr.Bad.Guy』からのナンバーで、クイーン・バージョンです。
どっちが良いとか比べたりしないで素直に聴いてみると、バンドの風格をどっしりと感じます。 ソロよりも随分と音に厚みが増し、よりドラマチックに仕上げられています。 ブライアンがソロで顔を皺だらけにしながら泣きじゃくる後に、“決まってることなんだよ”と静かに囁くフレディ。 フレディの見事なまでに力強いヴォーカル、そして残された3人の熱い想いが伝わってくるとても感動的な曲です。名曲中の名曲。 |
3. Let Me Live |
■Words and Music by Freddie Mercury |
バッキング・ヴォーカルとしてレベッカ・レイ=ホワイト、ゲイリー・マーティン、キャサリン・ポーター、ミリアム・ストックリーらが参加している。 タイトルがストレート過ぎて涙腺危うし!になってしまいますが、個人的にこのアルバムの中で、 一番好きな曲です。ゴスペル・コーラスにフレディが益々鮮やかに蘇る感じがします。 素晴らしい!ヴォーカルのスタイルは三人三様全く違いますけど、誰もが持ち味を120%発揮しており、感動せずにはいられません。 “ああ、こういう曲をもっともっと聴きたかった・・・”、涙を流した後には、“いつも素晴らしい音楽をありがとう”と、 本当に4人に感謝せずにはいられなくなる名曲です。 【シングル履歴】 ◎U.K. Release Date : 13 May 1991 / Highest Position on U.K. Chart : No.14 アルバムからの最後のシングル・カット。 |
4. Mother Love |
■Words and Music by Brain May and Freddie Mercury |
これは・・・う〜ん・・・なんてコメントしたらいいのか・・・。
ラストに聞える赤ん坊の鳴き声が妙にリアルなんですが、でも言わんとしてる事は痛い程よくわかるので、尚更辛いな・・。 強さと弱さを同時に出す、ある意味自白的な歌の内容を考えますと、ちょっと複雑な気持ちになります。 この曲のように内面に突き刺さる曲の方が、曲調で涙を誘う外面的な曲よりも、実際は心が痛むものです。 |
5. My Life has Been Saved |
■Words and Music by Queen |
元々は1989年発売のシングル「Scandal」のB面。 やさしく響いてくるサウンド。盛り上がりの部分に遠くを見つめるフレディが映ります。そんな風に、 曲を聴いている人たちのそれぞれの心にフレディが蘇るといいなって思います。 この哀愁のメロディーは、“夕焼けサウンド”と名付けたくなります。 赤く燃える夕焼けが徐々に山の向こうに沈んで行く、それを追いかけ河川敷を自転車で走る・・・涙を流しながらも、ここでは笑顔が似合います。 |
SIDE 2 |
1. I Was Born To Love You |
■Words and Music by Freddie Mercury |
この曲もフレディのソロ・アルバム『Mr.Bad.Guy』からのナンバーで、これはクイーン・バージョンです。
個人的にはこの曲がCMに使われて街中でフレディの声が流れてきた時は心底嬉しかったです。
あんまり嬉しくて、「キリン・ビール様、Queenの曲を使っていただいて誠にありがとうございます、感謝感激です」
って書いたハガキを出してしまいました。(アンタはQueenの親戚かい!)
アルバム1曲目から、ちょっとホロりといきそうな感動的な曲が続きましたが、この曲に入ると気分がちょっと変わります。 “やっぱり、これだよ!”と言いたくなるのです。そうです、愛なんです、愛! みんな、何のために生まれてきたかっていったら、やっぱり愛するためなんです。さすがフレディ! 【シングル履歴】日本ではキリン・ビールのTV-CM(一番搾り《生》)に使用され、シングルもリリースされる。 ◎2004年、フジテレビ系ドラマ(プライド)のテーマ曲に使用され、日本独占発売としてベスト盤CD『QUEEN JEWELS』に収録。 |
2. Heaven For Everyone |
■Words and Music by Roger Taylor |
この曲は、クロスのアルバム、『Shove It』からのナンバーです。ロジャーの方も彼の持ち味(ヴォーカル)が効いてて
素敵なんですけど、フレディが歌うと歌詞に重みが加わった感じがします。 比較的落ち着いた印象を受けるこの曲がファースト・シングルとはちょっと驚きですが(B面2曲目をカットすること自体が珍しい)、 それでも“これがヘヴンに違いない”とする歌の内容は、アルバム・タイトルとも連動し充分なインパクトを与えています。 安堵感、そんな言葉がこの曲にはピッタリではないでしょうか。 【シングル履歴】 ◎U.K. Release Date :9 October 1989 △Highest Position on U.K. Chart : No.1( 5 weeks ) 第1弾はシングル・ヴァージョンでリリース。 |
3. Too Much Love Will Kill You |
■Words and Music by Brian May, Frank Musker, Elizabeth Lamers |
このアルバムを初めて聴いた時、一番最初に大泣きした曲です。
それは、この曲を初めて聴いて驚いたのと同時に非常に嬉しかったからです。元々この曲自体は92年の追悼コンサートで
ブライアンが演奏してましたし、その後も彼のソロ・アルバムにも収録されてましたから、その存在は知ってたものの、
この曲をフレディが歌ってたなんて全然知らなかったし、これをフレディのヴォーカルで聴けたって事が、何よりもす〜っごく嬉しかったんです。
でもブライアンと比べて、何が良いとか悪いとか言うつもりは全くありません。
ただ、それまでのブライアンの悲壮な歌い方で益々悲しみに暮れてた自分を、フレディがこの力強い歌い方で、その悲しみから救ってくれた事に、
ひたすら感謝感謝でした。 フレディの何が凄いかって訊かれたら、私は一番にこう応えます。彼は彼自身がどんなに辛い立場であっても、 それがどんなに哀しい歌詞であっても、まずは聴き手に、音楽の楽しさを伝える力だと。そして、聴く側に 勇気と希望を与えてくれるところだと。・・・本当に嬉しかったし非常に感激した曲です。 ブライアンが歌っても、フレディが歌っても素晴らしいと感じられるのは、曲そのものが良い証拠でしょう。 それにしてもフレディのヴォーカルは力強い、そして上手い。後期代表曲の一つに入る名曲ですね。 【シングル履歴】 アルバムからの第3弾シングル。 CDと同時に7インチのピクチャー・ディスクも発売された。 |
4. You Don't Fool Me |
■Words and Music by Queen |
個人的に、一番惹きつけられる作品であり、このアルバムの中での最高作品です。
何故そんなに惹きつけられるのか、自分でもよくわからないんですが、まずは、この曲だけ平常心で聴けた事、そして聴いていて、
他にはなかった感情が湧いてきた事。その感情とは、この時は既に無意味な事なのに何故かフレディを庇いながら一緒に闘ってる様な、
フレディと同じ視線の3人を感じました。それと同時に、このアルバムに収録されてる他の曲とは違う時期に創られたのではないかという
疑問も湧いてきました。この曲調からして暗く哀しいイメージは受けるものの、それは決して、亡きフレディに焦点をあてたものでは無いと感じます。
つまり、追悼の意味で出されたこのアルバムの中に於て唯一、QUEENとそのサウンドの現在形を感じた曲です。私にとっては心に響く名曲なのでした。 『HOT SPACE』時の例えば「Back Chat」や「Dancer」は“ディスコ”の匂いがしましたが、 もともと同時期に作られたとはいえ、この曲からはビデオのせいでしょうか“クラブ”、つまり妙にイマドキな印象を受けます。 その違いはアンダーグラウンド的な匂いがするかしないかです。 「Dancer」が流れるホールのライトは、『ルパン三世2』の歌で峰不二子の踊るシーンのアレです。 つまり赤・黄・緑などカラフルなスポットライトです。しかしこの曲が流れるホールのライトは最小限なんです。 (それでもアルバム・ヴァージョンは80年代の香りが残っています。) 【シングル履歴】 英国以外のヨーロッパやアメリカでシングル・カットされた(エディット・ヴァージョン)。 【リミックス】 Sexy Club Mix | Dancing Divaz Club Mix | Late Mix | Freddie's Club Mix | Freddie's Revenge Dub | Queen For A Day Mix |
5. A Winter's Tale |
■Words and Music by Queen |
目を閉じて聴くと美しい情景がそこに広がって、レスペの儚い音にそれが白く揺れてる様な、そんなイメージを抱きます。 とても美しく、そして哀しい曲です。 A-1「Beautiful Day」は朝の印象を受けると申しましたが、この曲は陽が沈む頃というより、もうほとんど沈みきった頃の光景が目に浮かびます。 ブライアンのギターも、既にこの時点ではどうしようもないのでしょう、沈んで行く太陽同様、時の流れにまかせるままです。 このアルバムは冬のある美しい一日の物語であると同時に、一人のアーティストの美しい一生を描いたものでもあります。 【シングル履歴】 アルバムからの第2弾シングルは、通常盤とクリスマス・プレゼント用のデジパックで発売された。 |
6. It's A Beautiful Day (reprise) |
■Words and Music by Queen |
彼の溜め息さえメロディに聞こえてしまう“Yeah〜”と言う言葉は、ファースト・アルパムを初めて聴いた時からずっと長い間、
私に強く印象を残してきました。それは短い言葉ですが、彼が“フレディ・マーキュリー”を演じる時に不可欠であり、一番効果的な言葉でもあり、
なによりも、彼にしか伝えられないものを含んでいると感じています。だから、この曲の一番最後の一言は聴いてる側(ファンそれぞれの人)に
“フレディ・マーキュリー”の存在を強くアピールしている様な気がします。 で、一日が終われば、必ずやって来るのが次の日の朝です。つまり決して終わることはないのです。 なのでこのリプライズが収録されている意味はとても重要です。 それでは、一日は再びやって来るけど、一人のアーティストの一生はどうなるのか? それが“This could be heaven”です。やって来るも何も“ボクはここにいるよ”ということです。 そうです、“made in heaven”そして“this could be heaven”というわけで、 いつでもフレディは私達と同じ場所にいてくれるのです。再び笑顔で、美しい一日の始まり迎え入れましょう。 |