先ず、ブライアンが生まれた1947年の日本を調べてみました。
昭和22年、終戦間もない日本ではGHQの統治下で行政・経済基盤の整備が急速に進められる一方、
パンの切符配給、衣料の切符制など戦前の制度が復活するなど、人々は生活難にあり、ヤミ市が栄え、
物々交換が盛んに行われていました。また、この時代の日本の政治は吉田内閣が総辞職して社会・民主・国民共同の連立政権が発足。
片山内閣が誕生します。
そんな日本の裏側、英国はというと、第2次世界大戦の勝者側とは言え、経済力、軍事力は破綻を極め、
既に超大国の座から転落していました。またこの年、インドが独立。その後もセイロン(スリランカ)など
次々と独立して英国の植民地支配は終わります。しかし最大の慶事がありました。
当時の国王、ジョージ六世と妃エリザベスの長女エリザベス・アレクサンドラ・メアリーが
ギリシア王家の王子であるフィリップ・マウントバッテン海軍大尉と結婚したのがこの年です。
ちなみに、1952年にエリザベス・アレクサンドラ・メアリーは即位して女王「エリザベス2世」となり、
同名の母エリザベスは「エリザベス王太后」となりました。
その「エリザベス王太后の紋章」が、
フレディが4人の星座を取り入れてデザインしたクイーンのロゴにとても似ています。
そんな1947年7月19日にハンプトンで生まれたブライアン・ハロルド・メイ(Brian Harold May)。
現在では名前の後に「CBE」が付けられていますが、
これは「Commander of the British Empire(大英帝国勲章の勲位三等司令官)」の略で、2005年6月に受賞しています。
もしこれを日本で例えるなら「紫綬褒章」ってところでしょうか?
でもブライアンの場合はカテゴリーが複雑で悩みそうです。
って、例えばの話ですが(笑)、しかし事実、現在のブライアンは研究者であり、学者であり、音楽家であり、
他にも文芸や写真家のカテゴリーにも含まれるほどいろんな分野で活動しています。
それは「生来、手先が器用で多彩な人物だった」と言われる父、ハロルド・メイの血を
そのまま受け継いでいるかのように、常に父親とベクトルが同じだったのではないかと思います。
さて、ブライアンに関するバイオグラフィは、こちらをご覧いただくとして、
ここでは、クイーンファンから見たブライアンについて書いてみたいと思います。
まず、右の写真はクイーン全盛の頃のミュージック・ライフ誌に掲載されていたブライアンの手相占いです。
A:生命線が切れ間なく続いているのは、病気がちだが長寿をまっとうするタイプ。
B:両手の小指が薬指の第一関節より長いのは子沢山を表す。
C:薬指が人差し指より長い人は縁の下の力持ちタイプ。
これを最初に読んだ時は、なるほどと思ったりしましたが、
生命線が切れ間なく続いているにも関わらず、「病気がち」と書かれているのは
肝炎や十二指腸潰瘍を患った経歴を考慮してのことかなと思われ、あとのBとCに関しては、
○○なタイプというより先に、「ブライアンの指はやっぱり長い!」と感じたことです。
以前、レッド・スペシャルのネックは通常より太いと聞いたことがありますが、
ブライアンのこの薬指と小指の長さなら、指板に4本の指を伸ばしたまま、6弦を親指で押さえられるはずですよねぇ・・納得。
ところで、皆さんはブライアンの印象を言葉で表すとしたら何が浮かびますか?
「勤勉」、「真面目」、「天才」、「天然」、色々あると思いますが、私は「天才的集中型の努力家」です。
若い頃のブライアン語録に、“成功するもしないも本人の努力次第だ”というのがあって、
それは人生の何事においても当てはまる言葉だけに、言い換えれば「人間、一生勉強」であり、
それって今現在のブライアンに最も当てはまる言葉だなと思います。
まぁ、一つの事にあまりに集中しすぎて、ライヴではコーラスを入れるタイミングが遅れたりとか、
歩数の割りには進まないという現象も見られますが、それらのほとんどは“天然”と呼んで、
より親しみが湧いてきたりするのもブライアンの人格の良さからだと思われます。
いくつになってもその向学心には尊敬しつつ、時々ずっこけさせてくれるブライアン!誕生日おめでとう。
1949年、英国からアイルランド共和国が独立します。
しかし、ご存知のように英国の正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。
つまり、この時アイルランド北東部(6州)だけが英国の1部として残りました。
(*これは後に北アイルランド紛争が起こり、宗教、歴史、政治などの複雑な要素が絡み合っていて対立は依然として根深いものがあります。)
一方、1949年の日本では社会党が惨敗して第3次吉田内閣が発足。保守安定政権が始まります。
また、この年から1ドル360円の固定為替レートが決定。そしてこの時代(昭和22年〜24年)、第一次ベビーブームが到来。
毎年260万人以上のベビーが誕生しました。
ということで、日本でいえば、ブライアンと共に“団塊の世代”に入るのが、ロジャーです。
1949年、7月26日にキングス・リンで生まれたロジャー・メドウズ・テイラー(Roger Meddows Taylor)。
キングス・リンはイングランド東部、ノーフォーク州の南西の端にある歴史的な中世の港町ですが、
ロジャーは1953年(小学生の時)にそこから、イングランド南西部コーンウォール州の州都トゥルロに引越しています。
しかし州都といっても、当時はまだ今現在のような観光産業も盛んではない田舎町であり、
そうするとロジャーが思春期になって、「俺は絶対ロンドンに出て有名になる!」と考えた事は、
大都会に憧れと夢を持つ若者らしいセリフであり、新しい紫色の靴を履いて家を出て行く姿が容易に想像できます。
またロジャーは長男でありながらその性格は陽気で、時々まるで次男坊のようなズル賢い面を感じるのは私だけでしょうか?
しかしそれが不思議と、親しみやすい人柄として彼の魅力の一つになっていると思います。
さて、ロジャーに関するバイオグラフィも、こちらをご覧いただくとして、
右の写真はロジャーの手相占いです。
A:中指と薬指が寄り添っているのは兄弟の縁が強い。
B:この線が二つに分かれてそれぞれ長い人は、すぐ感情的になりやすい人。
C:知能線が中指と人差し指の間まで伸びているのは頭脳明晰タイプ。
Bの内容には強く頷きながら、ロジャーの手相を見て、真っ先に思った事は「意外に細い指してるんだ」でした。
ドラマーなら豆だらけでごっつい手をしているというイメージを持っていただけに、こんなに綺麗な細い指をしているとは、
かなり意外でした。
まぁ、一番スリムな頃に撮影したのかもしれませんが(笑)。
ちなみに、ソロ・アルバム『FUN IN SPACE』の裏ジャケではロジャーの“爪を噛む癖”の痕跡が伺えます。
ところで、ロジャーの印象を一言で表すとしたら、何でしょう?
「ロックン・ローラー」、「ハンサム」、「美形」、「歌えるドラマー」、「口八丁手八丁」色々あると思いますが、
私は「天才的直感型の楽天家」です。
これは悪口ではなく、ロジャーって、元々はテキトーに始めたことであっても天性に感覚が鋭いから
結果的には素晴らしいものが出来上がるって事が少なくなかったのではないかと思えて仕方ありません。
まぁ、それが楽天家らしいとも言えますが、自分が作った曲をすっかり忘れていたりとか、
スタジオ盤でもバスドラのリズムは気分任せなんじゃないかと思われる曲も少なくなかったりして・・・。
でも、そんな気分屋でも、優れた感覚の持ち主だからこそ昔から多くのファンを魅了して止まないのだと思います。
いくつになっても可愛くてカッコよくて、やる事なす事とっても分かりやすいロジャー!誕生日おめでとう。
以上、今月はブライアンとロジャーの誕生月として二人の特集を組んでみました。
既にほとんどの方がご存知かとは思いますが・・・
『Greatest Video Hits 1,2』の2本のDVDには、オーディオ・コメンタリーというオプションが付いていて
ブライアンとロジャーの解説入りでビデオを楽しめます。
それを今回久しぶりに見たのですが、この二人って相変わらず良いコンビだなと、つくづく思いました。
ヒッツ1の方だったかな?、ブライアンがフレディばかり映っているプロモビデオを見て、
「僕が全然映ってない!」と口惜しそうに言うと、ロジャーが「俺たちまるで伴奏者みたいだよな、これは最悪なビデオだな」と
ブライアンをフォローしているのかと思いきや、「あ、今ブライアン映ったよ!ぁ、でもすぐ消えたな。ハッハッハ」と面白がるロジャー。
つい、「オマエら小学生かよ!」とツッコミを入れてしまいました(^^;
しかしブライアンとロジャーだけでこれだけ楽しいってことはメンバー4人揃って解説したら、全員が言いたいこと言って
相当面白くなっていたかも。それか、放送禁止用語を消すピー音ばかりになっていたりとか・・。
そんな事を想像すると楽しくて仕方がありません。
さて、次に誕生日を迎えるのは、クイーンのもう一人の獅子座の人です。
updated:2011/ 7.01